180701 スマホに送られてくるニュース速報を見て、そんなバカな!どうせまた後で「実は・・・」とやらかすかと、半信半疑の梅雨明け速報。その、朝から猛暑の中、いつもは歩いて行く蒲田も、ガーメントバッグ提げてとなるとさすがに躊躇われて、バスで移動。
午後2時開演だが、区長挨拶やら岡田 愛によるモテット、"Exsultate, Jubilate"が冒頭に演奏されるし、合唱団が入場するのは第九の2楽章終了時ゆえ、両袖での待機時間は結構長くなる。ただ今回は170名ほどの大所帯だから、早め早めに動かないと、当日になって何かが起きらないとも限らないから。
アルトとバスは上手袖から入場。山台が8段も組んであり、結構全員勢揃いまで時間のかかること。揃ったところで、着席(と言っても、後ろの山台の手前の空間にちょこっと腰掛けるだけ。かなり不安定な姿勢で、じーっとしているのは案外しんどい。さらに3楽章は美しい旋律が随所にあるものの、ややもすると単調で居眠りが出そうになる。ここは我慢のしどころ。
自分の位置はほぼ中央で、ソリスト4人のうち、アルトの背中をまっすぐ見るポジション。今まで第九は8回歌っているが、今回がベストポジション!
やがてティンパニーの連打と共に、バリトン与那城 敬が立つのと同時に、合唱団全員がさっと(とは行かなかったようだ。高齢者が多いから、まっすぐ立てただけでもこの際、よしとしよう)立ち上がり、さあ、始まった。
与那城 敬の歌唱は見事という他にない。いろんなバリトン、あるいはバス歌手の出だしの名唱を聞いているが、お世辞抜きに今回ほどぞくっと来る歌唱はなかった。やがて呼応する男声合唱のフロイデ!しっかり巻いたRが聞こえる。
やがてソリスト4人が歌い始める。完璧なまでにお上手だ、素晴らしい。これを聞くだけでも第九合唱に参加する意味があると言っても過言ではない。どんどん快調に進んで最大の難所のダブルフーガも順調にすすみ最終部、プレスティッシモに差し掛かる。
不安のあった、急にテンポがゆるむトーホターアウスエリジウムも、まあぎりぎりセーフで、あとはコンミス、吉原葉子(生まれも育ちも大田区沼部)のすぐ後ろに控える胃高齢男性ヴァイオリニストの”華麗なる”弓捌きをとくと鑑賞。本番は練習の時ほど、弾き終わった後、高々と上げた弓を、上空でくるりと回すことは敢えて避けたようだ。
終わった、終わった、やれやれ。オケから順にハケて、さらに両脇の女声陣がハケる頃には、会場を埋めていた(9割がたは入った印象だが)聴衆も退場して、がらんとなった中で、男声陣が出ていって、ハイ、今年の第九は歌い納め、かな(?)
正装のままでロビーへ出て来場者と記念撮影する光景はいつもの通り。事故もなくまあまあ、首尾よく行ったほうだろう。
その後、地下の会場でマエストロやソリストたちも参加しての打ち上げが1時間。プログラムにソリスト全員のサインをしてもらう団員、特に女性団員が多いのに驚く。
バリトンの与那城 敬を筆頭にソリスト、マエストロ、コンミス、舞台監督、(財)大田区文化振興協会の担当課長などが次々に登壇して、ご挨拶。みなさん慣れたもので、散々会場を沸かせる。彼は、歌唱も抜群、人柄もすばらしく、ご覧の通り長身イケメンを絵に描いたような存在だけに、特に女性陣から人気は絶大。
登場前、楽屋で撮影されたらしい一枚。(フェイスブックからお借りしました)
(文中敬称略)