ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ミュージアム」

161209 巴亮介の原作を大友啓史が監督したとある。このタイトルのことも、原作もまったく知らず、単に知人に勧められるままに、時間調整的に鑑賞。この監督は、もっぱらテレビ番組の演出をしていて、2012年、「るろうに剣心」で映画デビュー。この作品も見ていない。結構、見せ場を多いし、テンポもいいのだが、既視感だらけ。

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いわゆる連続猟奇殺人事件もので、ハリウッドの「セブン」(1995 デビッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピットモーガン・フリーマン、グイネス・パルトロー)や、最近公開された邦画「クリーピー」にも一部かぶる場面が多いのが気になる。

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事件を追う刑事の家族がその犯人の標的の一つになっているのも、「64」に似ている。犯人が光線過敏症で、雨の日にしか外に出られない、つまり事件はすべて雨の日に起きることに気づく主役の刑事(小栗旬)の大手柄で、これが解決に結びついて行く。

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ともあれ犯人役のカエル男に扮する妻夫木聡の怪演が最大の見ものだ。小栗もそれなりに好演しているが、妻夫木に完全に食われたね。

雨の日のシーンばかりで、暗い画面続きが、最後に青空で決着し、さらに後日談として、一人の息子の出る運動会シーン。青空の下、息子が走る姿を動画に収める父親小栗旬)がファインダー越しに見たのは、犯人のカエル男と同じ、首をかく仕草!ちょっと不気味でシュールなエンディングになっている。

ところで、このタイトル、何がミュージアムなのか。犯人はアーティスト気取りで、自分が様々な手法で殺した犠牲者の写真や型を陳列する場所を指しているらしい。

#94  画像はALLCINEMA on lineから。