170426 原題:T2 TRAINSPOTTING (監督のダニー・ボイルは、T2のタイトルへの使用許可を、ターミネーター2のジェームス・キャメロンから取ろうとしたとか。結局、取らずに済んだ。)
21年前の前作を見ていないので、この作品、語る資格はないのだけど・・・、でも単独でも十分楽しめた。前作との絡みが頻繁に出てくるフラッシュバックで十分カバーされていたからかも知れない。
前作で、散々一緒に悪さをしたワルガキども、すっかり大人になっているのに、中身は昔のままで、そこがまたいいのだ。スコットランドの雰囲気にすっかり溶け込み、素晴らしい味わいを醸成している。
⬆︎たまたまトイレで隣り合わせになったレントンとベグビー、ふとしたことで相手に気づき、この後、追いつ追われつの展開に
主要キャストは、ジョニー・リー・ミラー(イングランド出身)を除き、スコットランド出身。(ちなみにジョニー・リー・ミラーはアンジェリーナ・ジョリーの元ダンナ。)
当然会話は全てコテコテのゲール語風スコッチで、耳にはかなり難解。最近すっかりハリウッドスターの仲間入りしているユアン・マクレガー、久しぶりに故郷に錦を飾った格好で、のびのび演技しているように見える。
⬆︎夢の世界で、このまま高層ビルの屋上から落下していくスパッド。
あれから20年、仲間を裏切り大金持ち逃げのレントン(マクレガー)が逃亡先のオランダから故郷に戻ると、母親は既に亡く、老いた父との再会を果たす。一人だけ年の離れたリーダー格のベグビーは今も服役中だが、脱獄に成功、レントン復讐に燃えている。シック・ボーイ、サイモンはプールバーを経営しているが、裏で怪しげなビジネスを展開中、ジャンキーのスパッド、妻子に愛想を尽かされ、高層アパート最上階で孤独に生きている。
⬆︎自分が知っているロバート・カーライルとは別人のような演技を見せた。あの凄みを彼のような、むしろ弱虫の印象の俳優が出すとは驚きだ。
孤独、哀愁、友情、裏切り、悲しみ、欲望・・・寒々としたエディンバラの街並みにそうした感情が渦巻きながら、彼らは、しぶとく儚く生きている。スタイリッシュな映像、奇抜なカメラアングル、そして耳をつんざくロックのリズム、なんともシュールな作品を作り上げたダニー・ボイルは凄い!!
#21 画像はIMDbから。