200927 FARGO 1996年の同名のハリウッド作品に着想してテレビドラマ化して成功し、シーズン4は現在全米で放映中で、日本ではまだ見られない。
ハリウッド作品(監督はジョエル・コーエン)は映画館で見ているが、かなり笑えるどす黒いクライム作品で、主役の警察官を演じたフランシス・マクドーマンドの演技が強いインパクトを残した。
シーズン1から3まで、10エピソードずつで全30話を見たが、シーズン1の評価を10とすると、シーズン2は7、さらにシーズン3は5という評価で、やはりこれだけの長編にするには、無理が重なっているということだろうか。
⬆︎のシリアル・キラー役、ビリー・ボブ・ソーントンの、なんとも鬼気迫る演技が光っている。準主役のマーティン・フリーマン(「ホビット」)も味のある演技で楽しめる。
シーズン2には、パトリック・ウィルソン、キルステン・ダンスト、ジェシー・プレモンス(4歳上のダンストと結婚している)など、名前の知れたハリウッドスターが共演している。出演者では、2が一番かな。
評価が低いシーズン3にはスコットランド人のユーアン・マクレガーが双子役で出ており、また不気味な演技のデビッド・シューリスの怪演が見もの。ただ、3には意味不明な格言やら例え話がふんだんに出てくるのがいささかうんざりする。中には日本軍でフィリピンで戦後も日本の敗戦を知らず生き延びた小野田少尉の話まで出てきたり、このシューリス演じる人物が「もしもし!」と語りかけたり、かなりふざけた演技で苦笑する場面、少なからず。
そもそもファーゴ(Fargo)というのは、アメリカ中西部に実在する町の名前で、ミネソタ州とノース・ダコタ州の州境にある、ありふれた町である。したがって舞台はこの両州に加え、さらにサウス・ダコタ州まで拡大して登場するので、こうした地理的な情報は押さえておかないと、展開が分かりにくいことになる。
さらに、実際に起きた事件を実名を変えて、ほぼ忠実に描いたと何度も字幕で出てくる。それにしては、よくぞこんな奇々怪界な事件が連続して起きるものと呆れる外なし。ちなみにシーズン1の時代設定が2006年、2が1979年、そして3が2011年。また現在、全米で放映中の4が1950まで遡り、舞台もミズーリ州でのマフィアと黒人ギャング団との抗争を描いているらしいから、もはやファーゴとはつながりがないことになってしまいそう。
シーズン1と2はおすすめ!3はあまり期待しない方がいい。マクレガー・ファンはがっかりだろうけど。