ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

THE SINNER - 隠された理由 シーズン4 - @Netflix

220202 早くもシーズン4が配信されました。さっそく試聴。原案・脚本(一部):デレク・シモンズ

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シーズン毎に全く別の話になりますが、主人公はあくまでもビル・プルマンが演じるハリー・アンブローズ元警部です。シーズン3で現役を退き、今はシーズン3で親しくなった自然派画家のソニアとノヴァスコシア州の避暑地でのんびりとリタイア生活を楽しみます。羨ましくなるほど絵に描いたような引退後の生活!と思いきや・・・ですよ。

やはり長いことやっていた職業意識というのは、簡単には抜けないんですね。ある月夜の晩、海辺近くの遊歩道を歩いていると、人の気配。瞬時に警部の勘が何かあると告げるのでしょう。目を凝らすと、崖っぷちから女性らしき後ろ姿がすーっと消えたのを目撃します。これは事件だと、翌朝地元警察に目撃情報を提供します。

ところが田舎の派出所みたいなところですから、初動が鈍くてどうにもなりません。ハリーとしては、情報提供だけですまそうとかと考えていたようですが、ちっとも警察が動かないから、とうとう自分で調べ始めます。すると案の定、怪しげな動きがいろいろと見え始め、地元の漁師同士の確執から殺人事件が起きていたことをつきとめていきます。

上のポスターの女性パーシー(アリス・クレンバーグ)が第1話で崖から消えた女性ですが、回想シーンでなんども登場するし、またハリーの行動中、要所要所で亡霊のように傍に出て参ります。ボッティチェッリの絵に出てきそうな大きな魅力的な瞳の女性です。それに演技力もなかなかで、引き込まれます。

ハリーは以前の記事にも触れましたが幼少時の家庭環境に問題があり、PTSDを抱えていて、またマゾ的な描写も何度か(今回の冒頭にも)出てきます。各シーズンでの犯人への対峙の仕方に独特のものがあり、それが事件の解決につながっているのがこのシリーズの大きな特徴と言えるでしょう。

よそ者が嗅ぎ回るのを嫌う地元民にしてみれば、もっとも忌み嫌われる存在でありながら、柔和な表情を持つこの(元)警部から質問されると、当初はつきはなしていても、いつの間にか答えてしまうという心理状態にされるようです。それをビル・プルマンが実にうまく演じています。ちょっと見直しましたね、この俳優を。