ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ベター・コール・ソウル」@Netflix

220307 BETTER CALL SAUL 米TVドラマ 現在シーズン5までネトフリで視聴可能。シーズン6は本国では4月末に配信予定らしいから、日本で見られるのは半年後ぐらいでしょうか。待ち遠しいことです。原案・監督(一部):ヴィンス・ギリガン

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この作品は、長大な人気ドラマ「ブレイキング・バッド」のスピン・オフという位置付けで、出演者もかなりかぶります。ブレイキング・バッドの世界から6年ほど遡った時代背景のようです。どちらを先に見ても両方とも楽しめると思います。

今回はシーズン5まで、全部で50話を見たことになります。この後、なにやら恐ろしいことが起きそうで、シーズン6が待ち遠しいというより、恐ろしいという感じがしています。

主人公の本名はジミー・マッギル(Jimmy McGill)ですが、途中、ひょんなことで改名します。それがタイトルの一部であるソウル・グッドマン(Saul Goodman)です。これって、日本人には分かりづらいですが、米語だと、It's all good, man! すべて上手くいくぜ、となるらしく、名前を告げると失笑を買う場面もあります。

今回の舞台はニューメキシコ州アルバカーキです。ゆえあって現在は逃亡中のジミーはしがないシナボンというフランチャイズの飲食店の店長らしいです。その部分だけモノクロになります。前頭部は見事に禿げ上がり、鼻の下にたっぷりと髭を蓄えて、明らかに変装中を感じさせます。それが、この写真。

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でも、かつてはテレビCMにもしばしば登場したことのあるいわば”有名人”だから、時折、バレて、「おい、あの時のセリフ、言ってみろよ!」と絡まれたりしています。

なんでも米領サモア大学で法律を学んで司法試験を通り、弁護士になったそうですから、そこそこ優秀なんです。兄、チャックというのが敏腕弁護士で、幼い時から尊敬・敬愛していた兄のようになりたくてやっと掴んだ仕事です。

ところが、この人、優秀なんだけど、お人好しで、調子に乗りやすく、それが元で、のちのちひどい運命が待ち構えます。

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公私ともに彼をささえることになる、やはり弁護士のキム(Kimberlyという妙な名前の愛称)をレイ・シーホーン(Rhea Seehorn)が演じますが、とても小気味よい演技で高感度バグツンです。いわゆる美人でもなく、スタイルもアメリカ人にしてはウン?という感じですが。ジミーにはもったいないぐらいに思えて来ます。彼らの運命がどうなるか、それはシーズン6にならないと分かりません。

この二人がさまざまな事件に巻き込まれていくわけですが、麻薬・殺人がらみの実に危険な事件ばかりです。その一つがブレイキング・バッド事件でもあるのです。

主役ジミーを演じるボブ・オーデンカークという男優ですが、顔は実に立派です。ゲイリー・クーパーやアラン・ラッドを、角度によっては彷彿とさせたりします。現に、映画の中でもケビン・コスナーに擬せられるシーンも。ただ、顔デカで、身長が低いのが惜しい!

他に元刑事で、揉め事請負人のマイク(ジョナサン・バンクス)も存在感タップリで、見せ場を作ります。あと、笑顔と強面の差が激しいワルの大御所級、ガス・フリング(ジャンカルロ・エスポジトコペンハーゲン生まれだが、父親はナポリ出身の大工、母親はアラバマ出身の黒人オペラ歌手という、かなり変わった出自です)もシーンをうまいこと盛り上げます。とにかくキャラのたった出演者がどっさり登場しますし、各エピソード(45分)の展開が速くて、飽きるヒマはありませんよ。