ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ニューシティー・オーケストラ第71回定期演奏会@アプリコ大ホール

170923

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今回はどちらかと言えば、地味な選曲になっているようだが、滅多に聴けないグラズノフの大曲などが含まれていて、たっぷり楽しめた。

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このマエストロ、上のように、かなりユニークな経歴の持ち主のように見える。15歳で渡米して、ニューヨークはマンハッタンにある音楽学校に入ったというのも珍しい。そもそもこのマネス音大とは、ヴァイオリニストのデイビッド・マネスが1916年に創立したとある。そこで、クラリネットを専攻している。その前にインターラーケン芸術アカデミーとあるので、まさかスイスの有名なInterlakenかと思ったら、ミシガン州にあるInterlochen Arts Academyと言う名の高校だと。インターラーケンとは発音しないと思うけどね。ま、そんなことはともかく、その後もずーっとアメリカで研鑽を積んだ様子。

それにしても素晴らしい指揮ぶりで、うまく団員を乗せていた印象。最後にマエストロに団員から贈られる拍手・足踏みが尋常でなかったことからも窺える。もちろん、この管弦楽団、なんどか聞いているし、巧さは知っているつもりだが、今日の演奏はこれまで以上に素晴らしかったと思える。

どこが?とは具体的に言えないし、それはまあ素人なりの”印象”にしか過ぎないのだが、初めて聞く曲も含めて、安心して楽しむことができた。

ボロディンはさすがにロシアという色合いがたっぷり。プログラムノートによれば、この3番は未完のまま作曲家自身が54歳で早死にしてしまい、なんとグラズノフが、生前の記憶を頼りに完成させたというからすごい話だ。

ベートーベンの1番は、最初の作品にもかかわらず、他のシンフォニー比べれば、演奏回数は少ない方だろう(2,4番もだが)。確かに派手さはないし、覚えやすいメロディーもほとんどないように感じるから人気はイマイチかな。でも、作曲された背景などを頭に入れながら聴けば、それなりに一種の感慨にふけりながら聞くことができる。

グラズノフの2番、初めて聞いたけど、実に壮大、かつ繊細(2楽章の美しさ、忘れがたし)で、ブラーヴォでした。1、4楽章での金管の響もたまらかった。いやぁ、こんないい曲を初めて聞くとはね。しかも、無料で!!ありがたいことだ。

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