ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「無頼の群」

210510 THE BRAVADOS (虚勢、強がり)米 1958年 98分 監督:ヘンリー・キング (1885-1982) かなり長生き(96歳)したし、ちょうどハリウッドの黄金時代が監督としての最盛期と重なり、多作の監督。「キリマンジャロの雪」'52、「慕情」'54、「回転木馬」'56、「陽はまた昇る」'57などなど、当時愚亭が見た作品も多数。主演:グレゴリー・ペックジョーン・コリンズ

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1958年作品、日本公開は翌年ぐらいか。こっちは高校生で、リアルタイムで見た記憶なし。

これは正真正銘の西部劇。大農場経営者、ジム(グレゴリー・ペック)が留守中に妻を殺され大金を奪われてしまいます。目撃者とされる(実はうそ)隣人バトラーの証言から、犯人たちは4人組で、すでに捕縛され処刑されることを知ったジム、160kmも離れたその土地へ彼らの確認にきます。

明日死刑執行予定の獄中にある4人を見にきたジムの、すさまじいばかりの憎悪に満ちた眼光にさすがの無頼漢たちも一斉にたじろぎます。⬇︎

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こうしたモノクロ画像に後から彩色を施した画像、懐かしいです。一番奥は、この撮影の後に「ベン・ハー」が予定されていたティーブン・ボイド、手前から二人目がリー・ヴァン・クリーフ

処刑日の朝、事件が起きます。かねてより示し合わせた仲間に助けられてまんまと脱獄に成功、逃亡します。さっそく追手が動きます。その中にはジムの姿も。これで自らの手で復讐ができると張り切ります。

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髪ふさふさの頃のリー・ヴァン・クリーフ。「やってねぇ!」と叫ぶも・・・。

3人まで殺したところで、自らの勘違いに気づくジム。町民からは英雄扱いされるものの、教会で神父に罪を告白するも、晴れない気持ちのまま、町を後にするのでした。パッとしない幕切れです。

グレゴリー・ペック、当初この役を演じるのは気が進まなかったそうです。でも、引き受けた以上はと、広大の牧場を購入し、カウボーイの仕事ぶりを研究したそうですから、芸熱心ではあったようです。