220828 SEPTEMBER AFFAIR (9月の情事)104分、米 1950 監督:ウィリアム・ディターリ
うーん、なんと言うことないメロドラマですが、主演の二人が当時人気絶頂だったことと、戦後5年で公開された作品というところが、味噌ですかねぇ。ジョセフ・コットンはともかく、ジョーン・フォンテーンの気品が光ります。品のある美しさはデボラ・カーに共通するように感じられます。
舞台は2/3がイタリア、特にナポリで、終盤1/3がニューヨークということで、とりわけナポリ、カプリ、ポンペイなどが登場する前半は観光要素たっぷり。青の洞窟が白黒というのは、仕方ないとはいえ、かなり残念です。
ジェシカ・テンディーさん、高齢になっての作品(DRIVING MISS DAISY)を最初に見ているので、こんな若い時代の彼女のイメージがまったくわかず、しばらく「これ、誰?」っていう感じでした。
また「外人部隊」や「舞踏会の手帖」のフランソワーズ・ロゼーの存在感にはいささかタジタジでした。こんな大柄な女優だったと再認識。さすがの貫禄でした。
劇中、ピアニストである主人公マニーナが弾くラフマ2ですが、これまでは、この曲を聞けばほぼ条件反射的に「7年目の浮気」を思い出していたので、この構図が自分の中ですこしばかり変わりそうです。
それとタイトルにもなっている9月、即ちSemptember Songが効果的に使われているのも深く印象に残ります。歌詞がまた大変イミシンで、二人で聞き惚れて時間の経過を忘れ、乗る予定だった飛行機に間に合いませんでした。間に合っていれば、この話はなしでしたが。
また、マニーナがピアノレッスン中にこのセプテンバー・ソングとラフマ2をアレンジして融合させて弾くシーンも実に見事な演出でした。
蛇足ながら、本作は原題より邦題の方が優れていると思いますが、上のポスターはまったくいただけません。本作の雰囲気をぶち壊してます。