ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「SOUL OF MEIJI 明治のこころ モースが見た庶民のくらし」展@江戸東京博物館

131017 先月、既に見ている展覧会だが、ブロガー特別内覧会に参加、一部制約付きだが、自由に撮影が出来て、誠にありがたい。展覧会詳細➡江戸東京博物館

JR大森は最寄り駅で、プラットフォームに、モースが貝塚をこの近くで発見し、それによりここが日本考古学発祥の地となっていることは案外知られていない。

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いい機会だから行きがけに撮影。

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大森が誇れる数少ない事象の一つだろう。

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⬇ここから北へ500mのところにあるのが大森貝塚遺跡庭園。

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何やら難しい顔したE.S.モース博士の胸像

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はっきり見える貝の層。

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モース博士が見たであろう光景がこれ⬆さすが慧眼である。凡人にはなんのことやら、だったのだろう。

内覧会は、冒頭当館の副館長であり、今回の展覧会の担当学芸員でもある小林淳一氏から丁寧な解説をいただく。モース博士に対する深い愛情が、言葉のはしばしから感じられた。

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入口を入ると、まずモース博士の肖像画に並んで、当時撮影された子供達の笑顔が入館者を迎えてくれる。屈託のない笑顔が並ぶが、この大きさに拡大してみて初めて子供達がみたらし団子を手に持っていることが判明したとか。更に左奥の屋台が団子屋であることも。

小林氏の解説だと、右端から2番目の男の子(柳家小さん師匠似?)が何か面白いことを言って、一斉に笑った瞬間ということのようだ。

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博士は三度来日し、通算で4年間日本に滞在したということだが、日本語は特に話せるようにはならなかったらしい。それでも、日本人とのコミュニケーションには自信があったことが⬆の文言からも伺える。確かに、そういう勘のいい人って、いるねぇ。

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⬆⬇こうした日常生活用品を1800点も蒐集して持ち帰ったというから凄まじい。

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いずれも白黒写真に色付けしたもの。下は当時の手ぬぐい。

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相撲にも当然興味を示し、国技館でスケッチもしている。⬆は1903年に横綱になった二代目梅ヶ谷の土俵入り写真だが、この時は帰米していて、この勇姿は見ていない筈。

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愚亭も初めてお目にかかったが巡り地蔵(英訳は何とPortable Shrine!ま、言い得て妙)といい、これを背負って歩く人の後ろで庶民が拝んだもの。

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ミニチュア店舗模型。ミニチュアながら、大変手の込んだ本格的な作りになっている。

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ユーモラスな看板。下駄屋か。

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陶器類は実に5000点を蒐集し、現在もボストン美術館に見事に整理されて展示されている。⬆はケース35 武蔵の国という陳列棚。これらの実物が今回展示されている。

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生き人形は、モースが日本人そのものを持って帰って米人に見せたかったに違いないのだが、生のままと言うわけにも行かず、こうした形で見せたようだ。これは農夫だが、他にも武士や町人の生き人形もある。

僅か4年の滞在で、実に熱心に日本全国を訪ね歩き、人々と交流し、日本をそのまま体験し、生の日本をアメリカに紹介しただけでなく、後にボストン美術館に展示されることになる日本美術の大半を発掘・発見したフェノロサやビゲローを日本に誘った功績の大きさも計り知れないものがある。実に大した人物である。

なお、上の画像はすべて博物館から特別な許可を得て撮影されたものです。

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帰りがけに展覧会ショップを覗くと、なんとこういうものが。

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普段なら、およそミュージアム・ショップに並ぶアイテムではない。珍しい光景。