ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

二期会ウィーク第4夜「マンドリンと歌う世界の名曲」

150625 広くもないブルーローズの舞台にぎっしり席が用意されている。それもそのはず、24名のオルケストラ”プレットロ東京”というマンドリン楽団の登場である。マンドリンという、かなりマイナーな楽器を聞く機会は滅多にないが、カンツォーネの伴奏にはうってつけであろう。

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割にポピュラーな楽曲が並んだ。オー・ソレ・ミオは最後に歌われることが多いのだが、冒頭にもってくるケースは珍しい。そして、ナポリ民謡の後は、シャンソンという構成も面白い。

大澤一彰さんは、藤原から二期会へ転向された珍しい経歴を持つ。輝かしい高音の響きが特徴の、今や売れっ子の中堅テノール。今日もなかなか喉の調子がよろしいようで、ネモリーノといい、トゥリッドゥといい、なかなか聞かせてくれた。

聴衆も、5曲目を過ぎる頃から緊張もほぐれたのか、徐々にブラーヴォ(ヴァ)が多くなり、前半の最後の演目「誰も寝てはならぬ」では、大変な騒ぎに。後半の最後の方もあちこちから絶叫が。

手島由紀子さんて、多分初めて聞かせてもらったが、大変チャーミングで、声も確かにシャンソンやミュージカルに向いてらっしゃる、比較的軽めのソプラノと拝察した。「宝石の歌」や日本歌曲もなかなか良かった。

普段はピアノ伴奏の名手、仲田淳也さん、今日はほとんどマンドリン楽団の指揮に徹してらした。

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大澤氏、大柄で、どこかエキゾチックな風貌に似合わず、生真面目なタイプ。トークも型通りで、余りアドリブは得意でないのか。前述の通り、聴衆の方も、最初のうちは結構緊張しているから、それをほぐす意味でも、少し乱れてもいいから、ジョークなど入れると、いい雰囲気が生まれると思うのだが、きっと大きなお世話って言われるだろうなぁ。

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