ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「Dearダニー 君への歌」

150930 原題:Danny Collins [脚・監]ダン・フォーゲルマン いわゆる”感動の実話”っていうやつ。

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ただ今、75歳のアル・パチーノが素晴らしい味を出している。やはり、この人、ただ者ではないな。ご覧の通り、実年よりちょっと老けて見えちゃうが、劇中、ほぼ地で演じているとしか思えない自然な掛け合いが、何とも素晴らしい。しかも、劇中で歌っているのは本人自身で、これが実にサマになっているのだ。

対する、アネット・ベニング(56)や、フォン・トラップ大佐のクリストファー・プラマー(86)も文句なしの演技!期待以上の出来栄えに、大大満足。

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駆け出しの頃に、あのジョン・レノンから彼宛に書かれた手紙が、たまたま自宅宛でなく、所属するレコード会社宛になっていたばっかりに、これを悪用する輩がいて、高価で売買されていたという、実にけしからん話。それを彼の年の離れたマネジャー、フランク(プラマー)が、どこからか入手、何かのお祝いで、ダニーに贈る。

このことをきっかけに、大ロックスターが、それまでのふやけた生活に終止符を打って、心機一転、新しい人生を歩み始めるという訳だが、その破天荒なスタイルが、いかにもダニーらしい。

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⬆︎AD/HD(多動性障害)の孫娘を一流の学校に入れようとするダニー。大金を寄付しているから、学校側は大歓迎。ただ、通いきれないほどの遠距離を心配して、辞退しようとする息子夫婦に告げる。「運転手付きの車を登下校に、卒業するまで手配する」と!

予定されていたツアーを中止、手始めに高級ホテル(ニュージャージーにあるヒルトン)にロングステイして、新曲を書き始める。そして、まだ会ったこともない息子一家に突如、会いに行き、そこでも騒動を巻き起こす。何しろ巨万の富を築いているから、やることなすことが規格外。

ラストがしびれる。お前なんか、口も利きたくないという息子、実は血液がんに冒されているのだが、とびっきりの病院に入れ、寄り添い、励まし・・・。見てのお楽しみだ。

#77 画像はALLCINEMA on line、動画はYouTubeから