ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「小さな命が呼ぶとき」

f:id:niba-036:20100812193853j:image:left100812 TOHOシネマズ シャンテ 原題:EXTRAORDINARY MEASURES 監督:トム・ヴォーン、製作総指揮:ハリソン・フォード 出演:ブレンダン・フレイザーハリソン・フォードケリー・ラッセル

難病の我が子、それも二人も抱えて余命1年と主治医から宣告された時、とるべき道は。
将来を約束された優秀な企業マンの父親ジョン(B・フレイザー)は、必死でこの難題の糸口を探り続けている。
例え自分の約束された将来がどうなろうと、二人の寿命が少しでも延びるなら、百万分の一の可能性でもいい、それに賭けたいと思うのが人情。

その可能性を探るうちに、ネブラスカの田舎で細々とこの難病、ポンペ病の研究を続けている偏屈な研究者、ストーンヒル博士(H・フォード)に辿り着く。即座に博士が望む資金援助を申し出るが、当てがあるわけではない。

そこから基金を立ち上げ、目標額までなんとか短期間に集めることに成功。更に二人でベンチャーとして製薬会社を起こし、投資家を募る。順調な滑り出しに見えたが、偏屈な博士ゆえ、再三投資家と衝突。暗雲が。

よくある実話を元にしたヒューマン・ドラマ。片や必死の父親ジョン、こなた研究一筋、頑固一徹の研究者ストーンヒル博士とのやりとりが軸になって進行する。罵り合い、慰め、怒り、諦め、妥協、etc.があって、ハッピー・エンドとなるのだが、B・フレイザーはいかにも愛情溢れる父親という感じの演技がよい。また、ハリソン・フォードの頑固ぶりもすっかり板についている。二人の演技力で、見られる作品になっているように感じた。

この作品を見る予定はなかった。「セラフィーヌの庭」というフランスの映画を見るために岩波ホールへ出かけたら、初回にもかかわらず既に長蛇の列。こんなことは一度もこの映画館で体験したことがない。それほどの作品かとも思うが、恐らくこの邦題につられたおばはん連中が大半だろう。列に並んだと思ったら「初回は売り切れです」と来た。ならば仕方ない、急遽日比谷へ出て、いくつかの候補から選んだのこの作品という訳だ。
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お互いに主張をやめない二人。これで果たして計画はうまく行くんだろうか、と思わせる。

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