ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「クリスマス・ストーリー」

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左は一族で一番成功した劇作家の長女と、フィールズ賞を取るほどの数学者の亭主。互いにクリスマス・プレゼントを交換し合った後に、妙な静寂が支配する。

101224 恵比寿ガーデンシネマ(アクセスが悪いため、採算合わず、間もなく閉館。残念!)原題:Conte de Noel
先日見た「シチリア!」と同じ2時間半と長尺。その上、登場人物が多いので、ある程度の予備知識がある方が分かりやすい。

舞台は北フランス、ベルギー国境に近い田舎町。そこに住むヴュイヤール夫妻のもとへ、クリスマス・イブに久しぶりに子供や孫たちが参集する。前夜祭を挟んで3日間、親子、夫婦、兄弟、その連れ合い間に起こる様々なやりとり、時に激しいバトル、むき出しの感情のぶつかり合い、慰め合い、憤り、諦め、その他、諸々。そして何事もなかったように、また元の居場所へと散っていく「家族」の微妙な間合いを、時折ハンドカメラを使用しながら、克明に丁寧に描き出すヒューマン・ドラマ。
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問題児の次男と、人生を達観したかのように振る舞う母、ジュノン
若き日、長男を白血病で6歳で失くしてしまうヴュイヤール夫妻。適合する骨髄を得ようと、次々に子供をもうけるものの、結局手遅れとなる。そして、今、ヴュイヤール夫人ジュノンカトリーヌ・ドヌーヴ」が同じ白血病に冒されている。アル中他の理由で、一族から追放された形の二男(マチュー・アマルリック)が最終的に骨髄移植に応じ、ジュノンへの骨髄注入が開始されたところで、ジ・エンド。よくある家族ドラマであり、展開も凡そ読めてしまうだけに、飽きさせず撮るのは、きっと難しかったろう。それにしても、2008年度作品を何故2年も遅れて上映するのか、意図がよく分からん。
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ドヌーヴの圧倒的な存在感が際立つ。そのドヌーヴが、マルチェッロ・マストロヤンニとの間にもうけたキアーラ・マストロヤンニが亡父と瓜二つの表情を見せる。父と娘で、これほど似るものかと驚きである。あとはマチュー・アマルリックの演技がさすがである。

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