130117 久しぶりにお芝居を見に行った。この劇場、上階にある映画館はよく来るがホールは初めて。なかなかシャレたホールで、舞台も広く、見易い構造で好感が持てる。今日は前から7列目の真ん中だから、嬉しい。
言わずと知れた向田邦子の傑作人間ドラマ。自立した4姉妹が、それぞれ悩みや問題を抱えて必死に生きる姿を時にユーモラスに,時に辛辣に描く。
70にもなる父親が、あろうことか、別宅に通っていることを三女が偶然目撃したところから物語が始まる。母親に伝えるべきか隠すべきか、意見が分かれる。そっとしておこうということに落ち着くが、母親は、実はすっかりお見通しで、見て見ぬふりのまま、あっけなく亡くなる。
1979年、NHKの土曜ドラマ3回シリーズで見たので、ついついそれと比較しながら見ていた。34年も前のことだから、その時に次女の娘役の荻野目慶子が次女役というのも面白い。そのドラマに比べると、この舞台、かなりコミカルな味付けが随所にされているのが一つの特徴か。因に、当時の配役は、加藤治子、八千草薫、いしだあゆみ、そして不吹ジュン。
それに、あの加賀まりこがなにせ母親役だからねぇ。
テレビドラマと違って、舞台で見ると言うのは、いろんな意味で大変興味をそそられる。まず舞台セットがある。いくつかの場面を転換せずに見せるので、始めから上下に4つの異なる場面が出来ていて、同時進行もあれば、実家の居間と思しき一階中央部で全員で演じるなど、演出には相当苦労しただろうと思われる。
もう一つ、舞台で見ると、当然だが生身の俳優が登場するので、映画やテレビで想像していたのとサイズが違って、「へーっ、こんな小柄だったんだ」みたいな、ややミーハー的興味も湧く。浅野温子は割に大柄であり、さすがの存在感であった。潔癖性気味の三女をやる高岡早紀も巧かったし、父親役の林 隆三も、ドラマの佐分利信とは違った味をうまく出していた。
(画像は同好演のウェブサイトからお借りした)