ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ザ・マスター」

f:id:grappatei:20130325101233p:plain

1950年、太平洋戦争を海兵隊で戦った主人公、フレディ(ホアキン・フェニックス)はいわゆるPTSDによる症状が顕著で、何をやっても上手く行かず、酒と女に溺れる日々。

f:id:grappatei:20130325101302j:plain

そんな中、偶然出会ったカルト教団のカリスマ尊師ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)に惹かれる。ドッドの方も、当初フレディの救済に夢中になり、教団にとって使える武器になると値踏みする。

 

一方、ドッドは集会では強気で集会者を熱狂させるが、実は妻ペギー(エイミー・アダムス)のいいなりであることが、フレディには見えて来る。こうして互いに、地金が見え始めると急速に破局へ。結局、フレディには何の未来も見えず、再びアル中と性欲だけの世界へと落ちて行くのだった。

 

強烈な個性を発揮する者同士のぶつかり合いが見せ場で、さすが名優二人による演技が冴える。とりわけ、ホアキンは、何を考えているか分からない狂気を感じさせる演技には驚嘆する。ジョニー・キャッシュを演じて、実際に歌まで彼そっくりに披露した「ウォーク・ザ・ライン」を彷彿とさせる名演技だ。

 

#23