130906 原題もSIDE EFFECTS。これなら邦題作りは楽だ。
副作用の薬害がテーマの社会派ドラマのように見せかけて、実はサイコ・スリラーという終わり方で、この作品が最後の監督作品になるらしいスティーブン・ソダバーグには喝采だ。
⬆インサイダー取引でとっつかまり、刑期を終えて出所した夫(C.テイタム)と幸せそうに振る舞うエミリー(ルーニー・マーラ)だったが、
虫も殺せないような雰囲気のヒロインが、長い時間をかけて女精神科医と共謀、綿密且つ緻密な計画を、淡々と実行、ほとんど成功するはずだったのだが・・・それにしても、女の恐ろしさよ。
⬆彼女には実はしたたかな計算が
depression(鬱病)の捉え方が日本とは異なるのと、新薬開発で鎬を削る製薬会社のあり方も日本とは別世界の観があるアメリカでしか起こりえないストーリー展開。もし、TPP交渉いかんで、こんなことが日本でも将来起こる得るとしたら、戦慄を覚えてしまう。
⬆担当の精神科医バンクス(ジュード・ロー)も彼女に手玉に取られていることに気づかない
⬆女精神科医シーバート博士(キャサリン・ゼータ=ジョーンズ)との丁々発止のやりとりも見所。二人の演技、さすがだ。
ジュード・ロー、昔は美男だと思ったが、今やその辺にいる普通のおっさんになっちまった。その点はキャサリンさんも一緒で、メイクもあるが、容色とみに衰えたり。主演のマーラ、「ドラゴンタトゥーの女」の時より、心の微妙なゆれを感じさせるような迫力の演技には好感。でも白人にしては意外にスタイルが悪いことに気づいた。チャニング・テイタムは映画の前半で女房にブスリと刺されてひっこんじゃうのって、ちょっと気の毒な役だ。
#70 画像はIMdb及びALLCINEMA on lineから