210527 米 99分、2006年公開、監督: マーク・フォースター(52、ドイツ人、「007/慰めの報酬」'08、「ディス/コネクト」'12、「ワールドウォー Z」'13))
ちなみに米国製ですが、マクレガーはスコットランド、ワッツはイングランド、ライゴズはアイリッシュ系カナダ人。贅沢な顔合わせです。これ、日本公開時、まったくノーマークでした。ちょっと「マルホランド・ドライブ」を思わせるような内容です。
ヘンリーを診ることになった精神科医、サム(マクレガー)が、彼の言動に引き込まれ、また怪しみます。今度の土曜日、自分の21歳の誕生日の真夜中、橋の上での自殺を仄めかします。
家に帰り、パートナーのライラ(ワッツ)にこの話をすると、過去に自殺未遂経験のある彼女が大いに興味を示し、会いたいと言いますが、自分の患者の守秘義務に固執します。
その後、ヘンリーは夢の話をし始めます。最初は取り合わなかったサムも徐々にヘンリーの中に潜む謎を知りたいと思うようになっていきます。不思議でシュールな映像が増え始めます。現実なのか、果たしてこれは夢の中か、容易に答えがみつからないまま・・・。
場面転換が実に巧みに構成されて、それはもう見事としか言えません。後半、すっかりヘンリー・ペースに巻き込まれたサムが見る世界はどんどんゆがみ、ひずんでいきます。
原題をそのまま使うしかなかった邦題。ラストシーンは冒頭の橋の上、大事故直後です。死にいくヘンリーを必死で助けようとするサム、そしてライラ、"Stay with me! Look at me! Stay with us! " 99分ですが、スクリーン、じゃなくて画面から一瞬も目が離せませんでした。
蛇足ですが、現在、一番若いライゴズが40歳、マクレガー、50歳、ワッツ、53歳。今から15年前の作品ですから、みんなすごく若いのです。ゴズリング、この時、まだ25歳!演技はしっかりしています。マクレガーはいつも通り。ワッツさん、地味だけど素敵な女優さんですね。若い頃、一時日本でモデルやってたということで、なんとなく親近感、持ってしまいます。半開きの口元がとてもチャーミングでした。