ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「PARIS (パリ)」

140730 原題もPARIS 仏 129分 監督・脚本:セドリック・クラピッシュ(「スパニッシュ・アパートメント」)出演:ジュリエット・ビノシュロマン・デュリス、ファブリス・ルキーニ、フランソワ・クリュゼ、アルベール・デュポンテル、メラニー・ロラン

2008年公開時に見損なっていた作品。たまたまBunkamuraのル・シネマで、25周年記念として「映画と出会う、パリ」(何故パリの前にコンマが入るのか)ということで、パリが舞台の、過去の作品を5作を公開、その内の一本が本作。

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二組の兄弟を軸に展開する典型的な群像劇。ムーラン・ルージュのダンサー、ピエール(デュリス)は心臓疾患で、心臓移植しか生きる道はないと医者から宣告されて、ドナーの出現を待つのみという生活。何もやる気が失せ、終日、窓からパリの街を行き交う人々を眺めている。

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⬆先日観た「ゴジラ」に端役として出演したビノシュ、やはりこういう作品に出てこそ、真価を発揮するような気がする。

そんな弟を心配して、シングルマザーの姉エリーズ(ビノシュ)が幼子たちを引き連れて、ピエールのもとで同居を始める。男っ気のない堅物の姉に、もっと自由に振る舞えと、逆に鼓舞するピエール。

一方、大学教授のロラン(ルキーニ)と建築家の弟フィリップ(クリュゼ)の兄弟、兄は教え子の一人、レティシア(M.ロラン)に惹かれ、年甲斐もなく恋いこがれるものの、やがて現実をつきつけられ、思い知ることに。

他にも登場人物がいろいろ出て来るが、まとまりがないようでいて、それぞれが不満を抱えながらも、人生を楽しむ姿を、パリという、どうしようもなく猥雑で美しい街を舞台に、瑞々しいタッチで描いている。

メラニー・ロラン、この時25歳、まことにベッピンさんである。それにしても、この邦題、なんでわざわざかっこ書きにしたんだろう。野暮ったい。PARIS、又はパリだけでよかったろうに。パリがタイトルについている作品て、何作ぐらいあるんだろう。多分、他の都市に比べてダントツに多い筈。

 

#64  画像はALLCINEMA on lineから。