140811
オルセーからの作品展はこれまでも何度も繰り返し開催されていて、それほど胸躍らせて観に行った訳ではないが、正直、「まさか!」という展覧会だった。
これほどの大作が、これほど多く日本で一挙に見られるとは、大げさに言えば奇跡的だ。これを4ヶ月近くもやるってーんだから、破格の扱いでしょう。その間、オルセーはどうすんだろう、他人事ながら、チト心配になるほど。
そりゃこのレベルの展示物はあそこには腐る程あるのは知っているけど、それでもやはり代表的な作品がごっそりと抜けちゃっているから、ご本家に今行く人はさぞがっかりするだろうな。
以前開催されたのは、オルセーの印象派展示室の改装工事期間中、海外に巡回するという大義名分があったのだが、今回、またも改装という話はないから、首を傾げざるを得ない。
章立ては、以下の通り。
第1章 マネ、新しい絵画
第2章 レアリスムの諸相
第3章 歴史画
第4章 裸体
第5章 印象派の風景
第6章 静物
第7章 肖像
第8章 近代生活
第9章 円熟期のマネ
ということで、お気づきの通り、マネを中心に据えている。そのあおりかどうか、1点もなかったのが、ゴッホ、ゴーギャン、ロートレックなどで、かなりいいものが来ているのだが、画家は偏っている。別にこれは文句ではない。
入口付近にこの絵。上手いけど、余り好きではない。
最後の部屋には⬇この絵が。まさにマネに始まり、マネで終わるという趣向。
これぞアカデミズム!という作品。アングルの影響、ありあり。
典型的印象派。平凡かもしれないけど、シスレーはシスレー、やはりいいですね。
何故かいつも懐かしさを感じるモネの「サンラザール駅」
沐浴する女たちシリーズはどうしても好きになれないけど、静物はさすがセザンヌ。
ちょっと前に、ブリヂストン美術館で開催された「カイユボット回顧展」には出品されなかった彼の最高傑作まで来ていたとは!まさに望外の喜びとはこのこと。
10月まで開催されているので、これは必見!4時半過ぎに入館したので、かなり楽に見られた。他人の頭越しに垣間みるような状況だけは絶対避けるべき。