150707 久しぶりにお芝居を見た。
何年か前に映画(原田芳雄、宮沢りえ)では見たが、もともと井上ひさし原作の戯曲ゆえ、いちど舞台で見たいと思っていた。確かにこれはまぎれもなく舞台劇としての完成度が高い作品だ。映画では、原作を変更して、舞台には登場しない図書館の人物や広島の街並みも出てくるが、芝居では、すべて娘のセリフの中でしか登場しない。
一瞬の差で、生死を分けた父、竹造と娘、美津江。その美津江も、手から落ちかかった親友からの手紙を拾おうとして偶然石灯籠の影に入り助かったのだが、それから3年後のある日常を描く。
あの時、たまたま広島に来ていた親友の母親を見舞った際、喜んでくれた後に、「なぜあなたが助かって、娘ではなかったの?」となじられ、幸せになってはいけないと、心に決めた美津江。そんな哀れな美津江をなんとか翻意させようと、このところ、毎日のよに美津江の前に現れる竹造。
休憩なしの1時間半、すこぶる濃密な舞台は、鵜山 仁の巧みな演出と、二人の役者、栗田桃子(亡くなった蟹江敬三の長女)と辻 萬長(かずなが)の熱演で、見事な仕上がりで、見応えたっぷり!