ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「独裁者と小さな孫」

151217 原題:THE PRESIDENT  独仏英も出資しているようだが、実際はグルジア(ジョージア)映画といっていい。119分

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架空の国の話と最初に断りが出てくる。実際の撮影はほとんどグルジア国内(一部タジキスタン)で行われた。監督は欧州亡命中のイラン人、モフセン・マルマフバフ。巨匠らしい。

まあ、このタイトルで中身が概ね想像できるが、ある日、突然追われる身になった大統領が、他の家族はタイムリーに直前に空港から飛び立ったのに、大統領と一緒に居残ることになった孫と一緒に国外逃亡を試みるものの、もう一歩のところで民衆にとっつかまるという展開。んで、結末が気になるところだが、血気にはやる民衆が、やれ吊るし首だ、いやそんなんでは手ぬるい、火刑にしろ、とてんでに叫ぶ中、当局に引き渡して懸賞金百万ドルをもらった方がいいという者も現れる。

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⬆︎大統領が一声「すべての電気を消せ」と電話すれば、その通りになるんだよ」と孫に実演してみせる。その直後、真っ暗な街中に銃声が響き渡る。

そんな中、一人の男が、復讐は復讐の連鎖しか生まないと力説、彼の首を切るなら、まず俺からとばかり斧を振り上げようとする男に迫る。これがどうも監督が言わんとしていたことのような。そんなわけで、結末は観客に委ねたまま幕。

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⬆︎逃亡中に見つけた村の床屋で、拳銃で脅しながら、頭を剃らせ、次にヒゲというところで、銃声が。慌てて、長髪のかつらをひっかぶって、逃走。(あんなカツラがどうして都合よくあそこにあったのか)

大統領を演じたグルジアの俳優も素晴らしいが、孫に扮した子役の演技が感動を呼ぶ。

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⬆︎逃亡中、何度も見つかりそうになったり、助けられたり、必死の逃亡劇が続く。この元大統領、ヘリの操縦もできればギターも弾けるという、なかなかの才人ぶりを発揮する。

#94 画像はALLCINEMA on lineから