160708
なんとも形容しがたき、凄まじいコンサート!なんといっても、この二人の実力のほどが大げさに言えば異次元だからだ。
板波利加さんは、日本でも稀な存在のソプラノ・リリコ・ドランマーティコ(と勝手に言わせてもらっている)だが、対する日野妙果さんも、ほとんど国際舞台で日々戦っているいるだけに、堂々たる舞台姿で淀みない低音部からソプラノ顔負けの高音部まで自在に操れる逸材。
とりわけ、こんな二人が織り成す二重唱の世界には、本当にシビれた。
⬆︎この選曲も素晴らしい。重厚なものから軽快なものまでうまく並べていて、お二人の特徴が最も出やすいものと言えよう。とりわけ第二部の冒頭の「ドン・カルロ」は、いずれも心に深く響いた。ちなみにアンコールは、モンテヴェルディの「ポッペイアの戴冠」からの二重唱。
海外で研鑽を積まれている歌手たちは少なくないが、その中でもこの二人は傑出している部類だろう。国際的に場数を踏まれて、超一流の歌手やスタッフに揉まれて、さらに高みを目指して欲しいし、いつか母国に帰られて、日本オペラ界に尽力されることを願いたい。
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