170105
2010年秋の「マクベス」(@アプリコ大ホール)以来、フォローしている又吉秀樹以外は初めて聞く(多分?)歌手たち。と言うことで、興味しんしんの顔ぶれ。「旬な」と書かれている通り、全員注目株。ゆえに、満席!出演者それぞれに等しく熱烈なファンがいるらしく、誰が歌っても大きな声援と喝采が、広くもない空間を飛び交った。
中でも強烈な印象を残したのは石原妙子の歌った「ああそはかの人か〜花から花へ〜」で、持ち味である太く重い声で、この難しい曲を歌い切った。Bravissima!!!
石原の声と対照的に軽やかコロラトゥーラが持ち味の楠野麻衣は、「ホフマン物語」からオランピアの歌を、例によって滑稽で可愛らしい振りを付けて歌い、場内、大喝采。ネジを巻いた又吉・澤崎の演技も申し分なし。
この両テノールだが、声の質はどちらもスピントでかなり共通している。得意とする演目も多分、相当かぶると思われる。艶やかな又吉の声質に対し、澤崎のはずっしりとした、ややバリトン系の声か。多分、どんな演目でもこなす万能型だろう。
アンコールは、
薄情け(澤崎)
夜の女王(楠野)
私のお父さん(石原)
黒猫のタンゴ(又吉)*イタリアン・ヴァージョン(これがオリジナル)
そして客席も一緒になって「こうもり」から「ぶどう酒の燃える流れに」(シャンパンの歌)
ついでながら、二期会と藤原歌劇団と銘打っているものの、二期会は又吉一人という寂しさ。本来なら2+2でバランスして欲しいところ。ただ、昨年、石原が藤原に移籍したので、思わぬ結果となったとか。
*文中、敬称略