170407 原題も:MOONLIGHT 米 111分 監督:バリー・ジェンキンス
あるゲイの黒人を幼年期、少年期、青年期に分けて繊細かつ微妙な心の揺れ、葛藤などを独特の手法で描いた作品。ブロークバック・マウンテン(アン・リー監督)の時もそうだったが、どうもこの手の作品は苦手。アカデミー作品賞に輝いた作品という話題性の高さ故に見に行ったような次第。
一番上の画像は、幼年、少年、青年を演じた俳優の顔を合成したもの。この独特の色合いは、作中、親友のヒスパニック系ケビンから、「月明かりで、お前はブルーに輝く」と言われことを3種類の色調に分けて表現している。
どうもやはり感情移入はとても無理な展開。それと三つの期に別れているのだが、もちろん演じる男優がガラリと変わるし、その間の説明などは一切なしで、こちらに御構いなしにガチャっとぶった切られた印象を受けるのもその一因かも知れない。
英国籍のナオミ・ハリス、入国ヴィザの関係で、15年間分を僅か三日で撮り終えたそうだ。これは晩年期のメイク。
知り合ってから十数年、自分を一番信頼してくれていたケビンと、彼の店で再会を果たすシャロン。
少年院を出たあと、ヤクの売人などをして苦労した挙句、やっと再会を果たしたケビンに一言「俺に触れたのは、お前だけだ」と純情ぶりを吐露するシャロン。
⬆︎キャスト陣、全員集合。
キャスト全員が黒人、スタッフも主要なところは全て黒人という、しかもテーマがかなり異色の作品。これがアカデミー作品賞を取った意味は決して小さくない。
終幕近くで使われたカエターノ・ベローソが歌う「ククルクク・パロマ」。この映像はペドロ・アルモドバル監督の「トーク・トゥ・ハー」の撮影風景。いい歌だ。
#17 画像はIMdbから