181009 EQUALIZER 2 米 121分 監督:アントワーヌ・フークア
言わずと知れた「イコライザー」の続編。フークア監督、続編まで撮るのは今回が初めて。第三作も既に視野に入っているとか。本作にも登場するメリッサ・レオとビル・プルマン、主役、デンゼル・ワシントン同様、前作から引き続きの登場。
鋼のような肉体から繰り出される目にも留まらぬスピードと、ずっしりと思いパンチは、今回も健在。戦いの寸前、腕時計ストップウォッチで計測開始し、どれだけで複数の相手を仕留めるかを見極める冷静さも失っていない。
普段は武装していないから、手近にあるものをすべて武器にしてしまうところが常人離れしている。例えば相手から手渡されたクレジットカードですら、彼が持てば殺人道具になる。本作でも実際ピストルを発射したのは数度で、とどめは概ね格闘技であるところが、この元CIA、マッコールのかっこよさ!
ボストンで静かに暮らす主人公、ロバート・マッコールは、もっぱら家で読書三昧。それも文芸作品が多い。だが、「弱きを助け、強きをくじく」主義は、徹底している。そういう事実を知ると本能が勝手にスィッチを入れるようだ。
生計は、近年はやりのウーバーの運転手で立てている。注文主から依頼が入れば、出動という日々。客席にいる人物を、CIA時代に磨かれた技で徹底的に分析し、たちどころに素性や現在置かれている状況を把握する。
住んでいるアパートの壁面に落書きされ、修復を文なしらしき自称アーティストの少年、マイルズ(どっかで見た顔と思っていたら、2年前、アカデミー作品賞を取った「ムーンライト」に出演したアシュトン・サンダース)、に依頼したことから、その後もなにかとマイルズを気にかけるようになるマッコール。
他にも、近所に住むユダヤ系の老人の身を案じたり、殺伐たる事件に巻き込まれることが多いがゆえに、どこかで何かを社会還元したくなるようだ。
CIA現役時代に親しくしていた上官、スーザン(メリッサ・レオ)は、ある殺人事件の操作のため、ブラッセルへ。捜査中に、ホテルの自室で何者かによって殺される。
同じく現役時代に親しかった仲間、デイブにスーザン殺しの捜査に加わってもらうことに、だが実は・・・。
ラスト30分ほどは、本作最大の見せ場。実際のハリケーン襲来中に撮影を決行しているから、効果は絶大。
見せ場多く、緊張は2時間たっぷり持続。それにしても、デンゼルは元気だ。64とは到底思えない、生きのいい体の動きには感嘆あるのみ。でも、本来彼は思索的なタイプで、読書シーンがよく似合っている。そう言えばそういう役、黒人俳優としては、珍しいほど多い。「ザ・ウォーカー」など、典型。
#76 画像はIMDbから