171008
我が合唱団でピアノ伴奏をしてくれている小池律子先生出演のプログラム、前回は行きそこなったので、今回初参加。
渋谷駅から恵比寿方向へ10分、並木橋交差点角にある目立たないビルの1階にこじんまりとあるのが初めて入ったL'ATLIER。アトリエというだけあって、ここは弦楽器の工房のあるビルで、1階にも壁面にヴァイオリンが何丁か飾ってあった。
50人ぐらいが入るスペースだが、こじんまりとこぎれいで、感じのよい空間。
1部は日本の歌を中心に8曲。2部はミュージカル、映画音楽、そしてオペラからのアリアを8曲。アンコールは『うたうだけ』(谷川俊太郎/詞&武満徹/曲)、『恋のフーガ』(なかにし礼/詞&すぎやまこういち/曲&ザ・
お二人とも、この世界では年季が入っているから、歌もトークもおてのもので、聴衆の楽しませ方を熟知していて、笑わせるし、のせるし、それはいいのだが、よもやのハプニングに襲われた。
歌劇「カルメン」からのセギディーリャを歌う旧知の田辺いづみが、歌いながら客席へと。最後列中央寄りの端に陣取っていたから、「ははぁ、こりゃこっちに来るな」と、ちょっとした殺気を感じたが、まさかの展開にすっかり動転、冷や汗ものだった。
なんと手を取られたのはいいとして、そのまま力づくで舞台へ引きずり出されて、一緒にダンスまでさせられるという無茶振り。その昔、出張で行ったアテネの夜、ディナーショーの舞台に引き上げられ民族ダンスを踊らされて以来の珍事。いやはや、危ない、危ない。座る位置、今後はよくよく考えないと。
ところで、田辺いづみはもう10年ぐらい前から、いろんな演目を聞かせてもらっているが、歌も芝居もなかなかの巧者で、得意演目も多岐にわたる。メゾ・ソプラノとして、貴重な存在。
座長の杉下友季子は自ら立ち上げた団体、amici428の主宰者で、作詞・作曲もするが、本業はソプラノ。南イタリアで「ラ・ボエーム」を歌った経験もあるが、経歴を見ると随分幅広く活動範囲を広げてきている。透明感たっぷりのソプラノである。
我らが小池律子先生は、フォーレの8つの小品Op.84より「即興」と、ショパンのワルツホ短調「遺作」を演奏。また同じ1830年に作曲されたという「ピアノ協奏曲1番」のさわりだけ華麗に弾いてくれたが、一度、全曲を聴いてみたいものだ。
#67 文中、一部敬称略