180418
この美術館、何年か前、ロシア旅行の際に訪問している。だが、実はあまり覚えていないことが判明。ま、よほどの傑作でない限り、そんなもんだろう。さすがに⬆︎クロード・モネのこの絵はよく覚えている。副題が「旅するフランス風景画」となっているように、肝心のロシア絵画は出品されていないのが残念。
全部で65点と多くはないが、すべて油彩画ばかりというのが凄い!
構成;
第1章 近代風景画の源流
第2章 自然への賛美
第3章 大都市パリ風景画
第4章 パリ近郊 ー 身近な自然へのまなざし
第5章 南へ ー 新たな光と風景
第6章 海を渡って/想像の世界
なんだか、無理やりこじつけ感たっぷりの章立てに思えて仕方がない。
代表的な作品を美術館のホームページから
理想風景の代表的な画家、クロード・ロラン(1600-1682)の「エウロペの略奪」(1655)。中央の白い雄牛がゼウスが化けたもの。
新古典派、そして奇想画で知られたユベール・ロベール(1733-1808)の「水に囲まれた神殿」(1780年代)モデルになった神殿はナポリから少し南へ下ったところにあるPAESTUM(ペストゥムと発音)にあるギリシャ神殿。実際はもっと完全な姿だが、ロベールは敢えてこれをもっと廃墟にしている。また水に囲まれた姿にしているのも彼の創造。
レオン=アウギュスタン・レルミット(1844-1925)の「刈り入れをする人」(1892)。ゴッホが影響を受けたとされる画家。
愚亭の好きな画家の一人、アルベール・マルケ(1875-1947)の「パリのサン・ミシェル橋」。穏やかな色調と単純化された描写が素晴らしい!
おなじみ、クロード・モネ(1840-1920)の「庭にて、ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレットの木陰」(1876)。左端の人物のコスチュームは、同名のタイトルでなんども登場する。
フランス生まれのイギリス人画家、アルフレッド・シスレー(1839-1899)の「霜の降りる朝 ルーヴシエンヌ」(1873)
ポール・セザンヌ(1830-1906)「サント・ヴィクトワール山、レ・ローブからの眺め」(1905-8)。これはもうはっきりとキュビズムの香りが漂う作品。ピカソやブラックが絶賛したと伝えられるのも当然。
アンドレ・ドラン(1880-1954)の「港に並ぶヨット」(1905)。もはや革命的な描写。フォーヴィズム、満開!南仏コリウールの港が描かれている。
住まいの町から外に出たことのないアンリ・ルソー(1844-1910)の「馬を襲うジャガー」(1910)。襲われているのにのんびりとこちらを見る馬の表情がなんとも言えない雰囲気。動植物園で観察したり、図鑑で調べただけで想像力を含ませて描いたルソー独特の世界だ。
フランス風景画というほんの一部の切り口で揃えてもこれだけの作品が登場するのだから、侮れないプーシキン美術館。(サンクトペテルブルクのエルミタージュになると、この10倍はもってるだろうから、いやはや!)