180914 大学のクラス会の後、合唱練習までの間、時間つぶしを兼ねて、西洋美術館へ。
出品点数こそ70を数えるものの、楽しみにしていたのは3点のみ。それがこちら。
デヴィデ・アポロは明らかに制作途上で、そのままストップした作品。理由は謎のまま。
これに加えて、模刻とは言うものの、フィレンツェ市庁舎前のダビデ同様、実際に彫ったものゆえ価値があると思われるヴィンチェンツォ・デ・ロッシのラオコーンである。
これだけは撮影OKということなので、正面、横、裏側と撮影した。
ラオコーンとは、そもそも、ギリシャ神話に登場する神官で、トロイ戦争の際、木馬を場内に引き入れることに一人反対し、アテーナ(ポセイドン、アポロとする説も)の怒りを買い、両目を潰された上、子供ともども蛇の怪物に襲われ、結局、食われたとされている。
ローマのヴァティカン博物館の本物(1506年にトラヤヌス浴場付近で出土しているが、ロードス島の彫刻家が彫ったものを古代ローマで模刻したか不明)は何度か見たことがあるが、こちらの模刻は、なぜか表面の質感がかなり違った印象を受けた。ノミで彫ったという感じがしないのだ。長いこと風雨にさらされたような、ぬめっとした表面はなぜなのか。この説明を読んでも不得要領である。それはともかくとして、これはとてつもない傑作である。ミロのヴィーナスなどに匹敵する価値があろう。詳細➡︎展覧会公式サイト
その後、例によって常設館を回り、ゆったりと鑑賞。だが、ランチ時のアルコールが意外に効いて、なんども行きつ戻りつを繰り返しの鑑賞となった。白ワインが一番大敵なのは承知しているが、今回はビールだけにとどめたのに・・・弱くなったものだ。
来るたびに新収蔵作品に出くわす。嬉しいことだ!
常設館の一隅に特別展示としてRichter/Courbetの作品が見られる。ドイツの現代美術家がギュスタヴ・クールベの作品を自宅にかけ、隣の部屋に自作のシルス・マリーア(スイスの有名な山の一つ)を掲げている風景を再現。
他にも、西洋版画を視る―エングレーヴィング:ビュランから生まれる精緻な世界という特別展も開催されていて、企画展だけでも@¥1,600は、安くはないと思っていたが、これらすべてが見られるとなると、コスパはかなり高いと言える。
気がついたら、6時を回ってしまった。