180915
合唱仲間が出演する演奏会へ。
前半は日本の合唱曲集から。「心の四季」は自分たちの合唱団も昨年の定演で演奏したばかりで、懐かしく聴いた。
後半はロッシーニのスタバト・マーテル。「悲しみの聖母」と訳されるが、もともとは”そこに聖母がいた”ということだろうか。何人かの作曲家がこのタイトルの作品を残しているが、いずれも素晴らしいが、自分にはロッシーニのものが一番しっくりする。
ソリスト陣が毎度のことながら豪華である。長谷川忍はこの合唱団とは過去何度か共演しているようだが、高橋 維はもしかして初めて?すばらしい共演。加耒徹は、現在の日本のバリトン界では突出する存在で、しかもこうした宗教曲を得意とする歌手だから、まさにピッタリ。テノールの中島克彦は多分今回が初めて聞くと思うのだが、ロッシーニ歌手という印象が強い。
本作で最もポピュラーと思われるメロディーのあるアリアを開始そうそうに歌うが、本当に気持ちよさそうに歌っていた。軽やかな発声で、レッジェーロ特有の明るさがとても印象に残った。
現在88歳になる荒谷俊治の指導の下、当合唱団は磨き抜かれた実力で定評がある。それだけに、こうした立派なホールでもほぼ満席になるという環境は、まことに羨ましくもある。団員の高齢化は何処も同じ風景なれど、粒ぞろいだし、男女のバランスもほどよく、恵まれている。
忘れてはならないのが伴奏のエレクトーン!素晴らしい効果を発揮していた。この楽器は一人オケのごとしで、今後、多用されるのは間違いないだろうし、さらに進化を遂げて行くのだろう。
#56 文中敬称略