ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「歌の大饗宴 Vol.2」@所沢市民文化センター

220925

以前からファンでもあり、数年前の椿姫(@アプリコ大ホール)では練習時にお世話になったピアニストの赤星さんからお声がけをいただき、地元での合唱練習のあと所沢へ急ぎました。

前回同様、今回もこれだけ多数の歌手や器楽奏者が勢揃い、大変中身の濃いコンサートでした。

単なる伴奏にとどまらず、企画・構成・選曲まで諸々アイディアを出され、これだけの規模の演奏会を開催しちゃうんですから、大したものです。

今回、特に目立ったのは第三部、ミュージカルでした。これまでもこうした演目は合間合間に挟むことはあったようですが、今回はミュージカル歌手を大幅に増やした観があります。とりわけ中西勝之さんが目立っていました。日本にもここまで見事に本場の味が出せる歌手は稀だと思いました。

また、ミュージカル部門が全体として目立っていたのは、この部門のみマイクを使用したため、前半に比べると、広い会場全体にうまく音が響いてたこともあったように思われました。

このホール、天井も高く舞台上は大空間で、反響板もありませんから、基本的にマイクなしで歌うオペラ歌手は結構大変だったと思います。これは器楽演奏も同様で、せっかくの名演奏も、たとえばチェロのような音色は空間に吸収されがち。どこまで後部まで届いたのか。(私の席は中央より少し前でしたから、まだ聴こえた方でしょう)

そういう意味で、レッジェーロ系の歌手にはちょっと気の毒かなと思いました。特にオペラ系の演目でない場合は、後部座席までは響かなかったのではないでしょうか。

歌手の中では、郷家暁子さん、以前から聴いてますが、さすがの貫禄で、レパートリーも広いことがよく分かります。高橋広奈さんは多分、初めてお聞きする方と思いますが、日本の歌よりジャンニ・スキッキの方が聞き応えがあったように。オペラと日本歌曲では歌い方、違いますから、向き不向きが出ることはありますね。

器楽では今回チェリストが登場されました。お上手なのですが、前述の様に舞台がこれだけ大きいと、ちょっともったいないかな、という感じで聴いてました。それとチェロを立ったままで弾くというのは初めて拝見しました。コントラバスは立ってますから、多少位置を上げれば、チェロでもおかしくはないのでしょうが・・・。

シャンソン愛の讃歌」のフルート・ソロは、「ウーン」って感じかな。こうした演目は歌詞が付いてナンボってかんじなんでね、ま、それなりに編曲はされて独自性を前面には出しておられたけど・・・。

沖縄出身の照屋博史さん、オペラより沖縄民謡などの方が聞き応え、ありました。そして、前回、「愛燦燦」で絶賛を浴びた古橋郷平さん、今回も美空ひばりに挑戦!「川の流れのように」、前回ほどではないにしろ、やはり古橋節健在で、私には素晴らしく心に残りました。終盤の転調が効いてました。

ミュージカル歌手では、前出の中西さんを除くと、余り・・・て感じですかね。まずは英語で歌うなら、もう少し発音を勉強して欲しいって思ったりしました。太田 翔さんもいいお声だけに、ちょっと惜しい!

伴奏は前回は確か赤星さん1人でやっていたのかな?今回は名手、石井里乃さんがオペラ、日本歌曲の伴奏を半分はやっておられて、非常に安定感溢れる伴奏で、Brava!!!

アンコールは全員で「花は咲く」。左から3人目の赤星さんも一緒に歌われました。

ちなみに昨年の様子はこちら➡︎「歌の大饗宴 Vol.1」