ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「カール・ラーション スェーデンの暮らしを芸術に変えた画家」内覧会へ

180921 今月22日から12月24日まで損保ジャパン日本興亜美術館で開催される「カール・ラーション スェーデンの暮らしを芸術に変えた画家」展の内覧会に参加する機会を得た。昔、絵葉書でこの画家の作品に初めて触れて、その暖かい目線が強く印象に残っていた。その頃はLARSSONをラーションと発音することすら知らなかった。赤い素朴な木彫り馬⬇︎で知られているスェーデンのダーラナ地方出身。

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4男4女に恵まれた。内、二人は早世しているが、現在子孫の数は相当なもんだろう。

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フランスの印象派の画家とほぼ同年代を生き、当然ながら印象派の影響を受けている。またジャポニズムの影響も色濃く作品に現れ、後に線描主体の画風に変化していくのが本展でもよく分かる。

19世紀の終わりに一時パリ近郊のグレ・シュル・ロワンで暮らしたことがあるとの記載がある。何年か前にここを訪れたことがあるが、日本から黒田清輝、浅井忠、和田三造、ほかが一時画業活躍した小さな村という知識しかなかったのだが、まさかラーションもここで制作に勤しんでいたとは!ただ、10年近く時代がずれていて、どうやらこうした日本人画家との出会いはなかったようだ。

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ブロガー対象の内覧会に出かけた。受付の後、ギャラリー・トーク開始までの間に、ざーっと会場内を一巡して、一部、主催者の特別な許可を得て、撮影できたのは幸いだった。

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しばらくしてギャラリー・トークがスタート。左から中部大学教授 荒屋鋪 透、通訳、ティールスカ・ギャラリー館長 パトリック・ステウルン、カール・ラーション・ゴーデン記念館 館長 キア・ジョンソン、手前はカール・ラーション家族会会長兼ウプサラ大学経済学部教授 オスカー・ノルドゥストルムという錚々たる顔ぶれ

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このように当時の生活スタイルが感じられるセットがいくつか組まれていたのも本展の特徴。

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左は自画像。

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自画像を説明するのはパトリック・ステウルン(ディールスカ・ギャラリー館長)。左はカール・ラーション・ゴーデン記念館館長のキア・ジョンソン。

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 ⬇︎カール・ラーション夫人のカーリンもアーティストで、スケッチを含む絵画作品ほか、女性らしい細やかなセンスで制作したテキスタイルやコスチューム、テーブルクロス、帽子、のれんなど、多岐に亘る作品を残している。f:id:grappatei:20180922094859j:plain

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カーリン制作の素描

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⬆︎カール・ラーションの曽孫にあたるオスカー・ノルドストロム。

こうして作品によって最も詳しい人物が入れ替わり立ち替わり解説に当たるという、なスタイルで、見る者にはありがたい。ほかに中部大学教授も解説に加わり、学芸員も冒頭、カール・ラーションについての概要を説明に当たって、万全の体制による内覧会だった。

他に、インターネットから拝借した彼の代表的な作風を示すものを以下に紹介。

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この作品は本展でも見られる。

会場の写真は主催者から特別の許可を得ています。

なお、会期は12月24日まで。

文中敬称略