ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「スウィッチ」

210301 SWITCH (電源の方ではなく、交換する意味)仏 104分 監督:フレデリック・シェンデルフェール

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B級映画と断定するのは、少し失礼かも。

主演のカリーヌ・ヴァナスはつい先日見たばかりの「静かなる叫び」の主演女優。木村綾乃似の、やや和的で柔和の表情に特徴があるカナダ女優。ついでに、身体つきも限りなく日本人風(?)であり、日本人には親和性が高い女優であろう。本作では、「静かなる・・・」と違い、激しいチェイス・シーンがふんだんにあるので、スタントはもちろん使っているものの、自身も相当ハードな演技を求められた筈で、多分、事前に厳しいトレーニングを積んだと思われる。

対するエリック・カントナはイタリア・スペイン系フランス人で、元サッカー選手。フランス代表であり、マンチェスター・ユナイテッドでも大活躍したスター選手という変わった前歴。

モントリオール在住のファッションデザイナーのソフィー、知人から紹介された家を一定期間交換しあうという変わったサイト、switch.comを使って、パリの高級アパート暮らしを始める。夢のようなスタートに大満足のソフィーだったが、翌日目覚めると、パリ市警に踏み込まれ、逮捕されてしまう。

必死に身の潔白を証明しようとするが聞き入れてもらえない。どうやら得体の知れぬ事件に嵌められたらしいことに気づき始める。ファッションデザイナーのどこに格闘家魂が潜んでいたのか、突如警察を相手に反撃に転じ、パリの街中で派手なチェイスを繰り広げる。リアリティーに欠けるものの、みどころ満載で、アンダンテでぬるっとした開幕から、プレスティッシモのエンディングへの急展開には頭が追いつかないほど。

あまり日本では話題にならなかった作品らしいが、それなりに楽しめた。