ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ゴールド/金塊の行方」

170602 原題は、単にGOLD。監督:スティーブン・ギャガン(脚本家で、監督としては、3本目)、その他、製作者5人の中に、主演のマシュー・マコノヒーの名前、また製作総指揮者8人の筆頭にポール・ハギスが。

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実話を基にしてできた作品。1988年からスタート、鉱山ビジネスで成功した親父の跡を継ぐことになった主人公ケニー(マシュー・マコノヒー)、7年間で、ほぼ親父が残したものを食いつぶし、話は、一気に7年後に飛ぶ。

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一度手にした富は忘れがたく、ネアカのケニーは落ち込むどころか、一攫千金を夢見て過ごすうちに、運命の出会いが。特殊な(怪しげな?)理論を振りかざし、金鉱山を見つけ出すと豪語するマイケル・アコスタ(エドガー・ラミレス)に賭けることして、残り少ない財産と、投資家から集めた(まだ彼の会社のブランド価値が残っていたらしい)全額をつぎ込む。

来る日も来る日も熱帯のジャングルで採掘の陣頭指揮をする二人、ついにはマラリアにかかり生死の境目を。目覚めた時に、マイケルからついにやったとの大朗報が待っている。奇跡の大逆転、彼の会社の株は一転してうなぎのぼり。

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ま、こんなうまい話には何かある。だいたい、金が出たという話ばかり先行で、具体的な場面を見せないから、観客が訝しく思うのも当然。案の定、この話にはウラもウラがあったのだ。マイケルが仕掛けた罠に誰もがまんまと引っかかった。

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結局、文無しに戻り、投資家に大きな損害を与えたとして、FBIから追及されるものの、ケニーも何も知らず、被害者の一人という扱いで、放免されるが・・・・。これで終わらないのが、この作品の面白さ。鮮やかなどんでん返しが。でも、実話に基づくって、どこまでが実際に起きたことなのか、映画は語らない。

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本作の見どころの一つはマシュー・マコノヒーの変身ぶり。前頭部は禿げ上がり、腹はでっぷりと突き出し、見るからにだらしない姿。そんな格好ですっぽんぽんになったり、履き古したブリーフ姿にはファンもびっくりだろう。本作のために23kgも体重を増やし、頭頂部も剃り落とし、さらに特殊な入れ歯まではめて、まるで別人のようであったが、アカデミー主演男優賞を取った「ダラス・バイヤーズクラブ」では、逆に25kgも落として激ヤセしていた。

この映画のために、ひたすらチーズバーガーを頬張り、ビールを飲み続けた結果だそうだが、そこまでやるハリウッド・スターは、やはりすごい。クランクアップと同時に断食・断酒を決行して、上の写真ではほぼ元の姿に戻しているから、驚くばかりだ。

#31 画像は、IMDb及びALLCINEMA on lineから