180414
昨年もほぼ同時期に開催された定期演奏会、歴史ある合唱団なのに第2回とあるのは、多分、大田区民オペラとして過去オペラの本公演に出演していて、定期演奏会を開催する余裕がなかったのではと勝手に想像している。その大田区民オペラは主宰者の都合により解散してしまい、合唱団だけが引き継いでこの形になったのではないかな。
ちょっと残念ではあるが、まあこういう形で本公演ではないけど、それに近い形で一流歌手を招いてオペラのシェーナが安く見られるのだから、これはこれで見る側にはありがたい。
雨の予報だったが、空はなんとか終演まで持ちこたえてくれた。会場はほぼ満席。この内容で指定席がこの値段だから、ま、当然でしょう。
後半の「ルチア」は、前半から出演している中江早希が例のルチア狂乱の場「香炉は燻りて」で会場を魅了した。フルートの伴奏がなかったのは残念だったが、そこは名手、伴奏の木村裕平が完璧にカヴァーしたと思う。
字幕が出なかった代わりに、あらかじめスライドであらすじを紹介するというスタイル。字幕を出す余裕、あるいは技術的に無理だったのか、ちょっともったいない気がする。
照明がまた少し変わっていて、フットライト、サイドライトを多用して、影絵のごとく浮かび上がらせたり、ジョルジュ・ラトゥールやカラヴァッジョの作品風の光の明暗を駆使して盛り上がらせていた。
合唱団、動きもスムーズで、うまく舞台に溶け込んでおりモルト・ブラーヴィである。この合唱団もご多聞に漏れず、男女比1:3ぐらいで、しかも高齢者が多く、苦労しているようだ。
血だらけの衣装は中江早希。中央はマエストロ。右へ今日も美声とイケメンぶりでとりわけ女性客を魅了した城 宏憲、響きの良いバス・バリトン、ジョン・ハオ、右端、どのような役でもはずさない名メゾソプラノ、鳥木弥生、たっぱらあるし、どんな衣装でも着こなしてしまう。
中江の左は絶好調のバリトン、増原英也。以前聞いたリゴレットもはまり役と思ったが、今日のような悪役がまた上手い。その左は、めきめき頭角を現しているテノールの新海康仁、その左は前半のピアノ伴奏、井上めぐみ。
赤い衣装は主宰者の山口俊子。
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