この作品、当然これまで何度も見ているが、かくも鮮やかな色彩だったのはやや意外で、もっとくすんだ彩色だという印象が強かった。特にマリアの赤い衣服、青いマントがひときわ目立つ。
横長の画面で大胆な遠近法、1点消失遠近法が使われ、自然に背後の山々へ視線がいざなわれる。この山河の景色はモナリザの背景とほぼ同じだ。
第2会場は、一転、資料の展示で、有名な裏返し表記のマニュスクリプトもあるが、すべてレプリカで本物は一点もなし。また、CGによるビデオを使用した解説などはよく出来ていて、分かりやすい。その他、天才の名前をほしいままにしたあらゆる分野の展示がある。
また、彼のデザインによる模型も陳列されていたが、これらはミラノの例のダビンチ科学博物館からのものではなく、今回の企画展のためにわざわざ作ったということらしい。
例によってパネルによる解説などもよく出来ているし表示もうまい。こういう技術は日本がぬきんでているように思われる。