暖かい日曜日、オルフェオに続いてまたも日生劇場へ。今日は、グランドサークルの最前列だから、かなり舞台に近い。それでもオペラグラスを持ちこんで、出演者の顔の表情なども、じっくり観察。
そして、今回も存分に楽しめたオペレッタだった。
先ずはやはり沢畑恵美さん。彼女の見事な歌唱、特に心に沁み入る高音域、輝ける姿は何と言ってもハンナにはピッタリ。別のプログラムは見ていないので、何とも。やはり東京二期会として力の入った公演だから、どっちも見ないといけないのだが・・・何せオペラは高いから、なかなか年金生活者には困難。
一方、ダニロを演じた星野 惇さん、愚亭は初めて聴いたが、いい声をしている。北大の理II出身という異色の経歴の持ち主。下もよく出る、ややスピント系なのか。美男子というほどではないにしても、やや上背があり中肉で、沢畑さんにはつりあっていると思ったな〜。Lippen schweigen、シビレマシター、ま、いつものことだが、あの甘い弦の旋律が鳴り始めると、なんともやるせな〜い気持ちになるのは、誰しも同じことだろう。今朝もYouTubeで余韻を楽しもうと思って聴きだしたら、キリがない、あっと言う間に数時間。Domingo/Freni, Domingo/Netrebko, Hvrostovsky/Flemming, Domingo/Brightman・・・それにしてもドミンゴ、多いな。果ては1952年の、あのラナ・ターナー主演の映画まで見てしまう始末。(ターナーの歌声は吹替え)しかし、この歌、余り朗々とやるよりしずしず歌って欲しいね。
今回も全編日本語上演。オペラッタはこの方がいい。歌も日本語で定着しているから、まったく違和感なし。それにしても、タイトルもレハールだからドイツ語Die lustige Witweとすべきなのに、英語のメリー・ウィドウが用いられるのが普通で、それ以外は一切使われないというのも妙と言えば妙である。
また、やはりツェータ男爵をやった加賀清孝さんのような重鎮が出演すると「締まる」というのか、適当な緊張感が全員に伝播して、実力を遺憾なく発揮できているように思える。
「女、女、女」のシーン、涙が出るほど笑わせてくれた。この辺の演技力はさすがだし、演出の手腕も存分に発揮されていたようだ。
カミーユの上原正敏さんも、パリの色事師にぴったりの軽めの高声で、いきいき演じていてよかった!
マキシムのシーンは、もっと賑やかに、盛大に、うるさいぐらいに盛り上げてくれた方がよかった。ロロ、クロクロなどグリゼット連中が過剰なほどの演技と声をだしてくれていれば、とその点だけがチト残念だったような気がした。(素人が一丁前のこと言ってくれましたね。)
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