ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「シャルダン展」へ

121016 三菱一号館美術館で開催中の「シャルダン展」へ。今日売り出しの年間パスポートを5000円で購入。1年間は何度でも入館できるし、1名同伴者無料という特典もある。姉が昨年購入したので、さっそく真似をした次第。クレジットカード仕様で、本人写真と署名入り。裏は今回の展示作品の一つ、オディロン・ルドンの花がデザインされている、大変シャレたもの。

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さて、シャルダン(1699-1799)、名前は出なくとも、作品を見れば、誰しも見たことのある作品が多い。どちらかと言えば女性好みの、淡い色彩を巧みに配した作品が多い。

前半は静物、途中から風俗画に転じ、後年再び静物画に戻るという、ちょっと分かりにくい変遷をしている。色調は一定の中間色を多用し、暗く沈み込んだ静物画が多い。どれも卓上に乗せ、ワンパターンであるが、訴える力は強い。

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ご覧の通り、精緻な筆さばきである。

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同じテーマで複数描いているものが数点。これもその一つ。並べて展示されているが、差異がはっきりしない。何か意図があるのだろうと想像するが。

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再婚した相手が上流階級出ゆえ、身の回りの品が上質で豊かになったという説明が。左右で台所用品に明確な違いが見られるということで、並べて展示さている。

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この作品のみ、痛みが懸念されているとかで、ガラスの特殊カバーで覆われていた。銀のゴブレットに映るリンゴの描き方の見事なこと、思わず溜め息だ。

彼の作品は後の有名画家に少なからず影響を与えていたことが実証されている。ミレー、マルケ、マネ、ルドンなどで、彼らの作品も同時に展示されているのが嬉しい。

全部で38点なので、じっくり時間をかけても1時間以内で見られる手頃な展覧会。ところで、相前後して美大の学生と思われる女子たちが先生に引率されて十数名が入場。

この美術館は小部屋が多いため、室によっては、彼女たちで一杯になるところも。はた迷惑も甚だしい。しかも、靴音がうるさ過ぎ!フローリングだから、響くということを考えれば、もっと静かに歩くべきだろうに。ったくなっちょらん!!!

ミュージアム・グッズを扱う店では、シャルダンに直接かかわりのない、高級陶磁器なども販売されていて、中には一式50万円もするロイヤル・コペンハーゲンも。でも、まぁ全体には、センスのいいものを多く並べてあった。

画像は三菱一号館美術館のサイトから拝借。