121106 109シネマズ川崎
凄い配役だ。それにしても、メトの宣伝ぶりはますますヒートアップ。冒頭、デボラ・ヴォイトが登場し、GMのゲルプと散々宣伝しまくる。今後のラインアップを見せたり、寄付を募ったり。現在、64ヶ国、1900軒の映画館で上映というから、凄い。
もちろん、幕間に主要キャストやスタッフにじっくりインタビューするスタイルは相変わらず。どこの国の出身者だろうと、みなさん、英語がお上手。日本人が登場することって、あるのだろうか。今のところ、日本人はおろかアジア人が出ることも滅多にない。残念至極!
この人、絶好調。決して美人ではないが、人を惹き付ける力が凄い。歌唱はもちろん、演技がまた素晴らしい!一段と魅力を増した印象。
毎回このシリーズを観て思うことだが、鮮明な画像でスクリーン一杯に写るということは、女性の場合はかなり過酷である。ネト子は若いからよいが、「オテッロ」の予告編に登場したルネ・フレミングさんなど、小じわの一本一本、シミの一つずつがクローズアップされ、隠しようのない老いがさらけ出されるのだから、たまらない。
タイトル・ロールのマシュー・ポレンザーニ。名前からしてイタリア系のアメリカ人。これがまた上手い!「人知れぬ涙」では、拍手鳴り止まず。こういう光景は久しぶりにみた。
やや地味ながら、ポーランドはクラコフ出身、40歳のこのバリトンもなかなかの演唱を見せた。スラブ系同士で、ネト子とも大の仲良しとか。
今や、マイナーな存在になりつつあるイタリア人だが、このアンブロージョ・マエストリの存在感はバンパじゃない。こういうバス・バリトンの出番がこれほど多いオペラもそう多くはない。この人、身長も幅も馬鹿でかくスーパー・ヘビー級。声がまたいいのだ。
演出も装置も、正統派でとてもすっきりと受け入れられた。
#77