180917
ご覧のような豪華な配役!当初は合唱団員募集のチラシの方が目が行ったのだが、「椿姫」が終わってからすぐに練習が始まるというので舞台に乗るのは断念。
有名なオペラで1976年夏、最後となったNHK招聘イタリア歌劇団第8回公演で初めてこの作品を見ている。当時のキャストは、モンエラ・カバリエ、ホセ・カレーラス、フィオレンツァ・コッソット、アッティリオ・ドラーツィ。
話は簡単なようだが、なぜかすーっと頭に入ってこない。ま、それでも自宅を出る前に改めてしっかり解説書を読んでおいた。それでも「あれ?」っと思うような場面が何箇所か。それは、演出や舞台装置が原因かも知れない。これは、しかし低予算ゆえ、止むを得ない。
それでも、ずらーっと役者を揃えているから、聞きどころは満載で、大満足。あのホール、意外に音響が素晴らしい!これなら歌う側も心地よく歌えたと思われる。
アドリアーナの西正子、以前より声が太くなったように感じられたのと、第四幕、死に際の難しい歌唱を見事にやってのけた。
20年もフォローしている21世紀のスーパーテノール、村上敏明、最高のバリトン、須藤慎吾(リゴレットの「悪魔め、鬼め」、オテッロの「イアーゴの信条」は絶品中の絶品)、それに最近、ひんぱんに聞いているテクニシャンメゾ、杣友恵子については、今更なのでコメントなし。
その他、脇役陣も頑張っていたし、そしてとても楽しそうに演唱していた。合唱団もフィオリーレ合唱団として日頃から活躍しているから、皆さんとても歌も演技もうまかったし、自分は乗らなくて正解だったようだ。
左寄りでいいアングルではなかったなぁ。残念!
こういう格好をさせても、よく似合う杣友恵子。
断然舞台映えのするダンジュヴァル役のメッゾ、佐藤 祥。三種類の豪華衣装も印象的だった。
伴奏はピアノ、バイオリン、ハープのみ。ピアノだけよりはもちろんずっといいが、もう少し楽器を増やして、例えば木管などを入れてくれればねぇ。サントリーとは言え、自由席で@¥6,000の設定なのだから。
ところで、冒頭、進行役のジェズイユ僧院長(武田友美)に紹介され、合唱団員の一人、ということはアマチュアのテノールが「カーロ・ミオ・ベン」を歌ったのだが、???意味不明。
ついでに、もう一つ不思議に思ったのが、カーテンコールの最後に、これも幕ごとに登場してストーリーを説明する小間使い(森 由紀子)が舞台に呼ばれて、主役の間、つまりまん真ん中に入れて拍手を受けていたのだが、これも首をひねる場面。なにか演出にでも関係したのかと思ったが、プログラムのどこにもそのような表示なし。舞台挨拶では、むしろ最初に出てくるような役回りだと思うのだが・・・珍風景が二度も。
蛇足ながら、このチラシはなかなか素敵。オノレ・フラゴナールの「読書する少女」だが、よくできている。また舞台装置は簡素そのものだが、背景のスクリーンに当時の貴族の館風の映像を投影し、そこの上部に字幕を映し出すという趣向も悪くなかった。
#58 文中敬称略