ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「もうひとりのシェイクスピア」

121226  109シネマズ川崎 原題:Anonymous (名無し)脚本:ジョン・オーロフ、監督:ローランド・エメリッヒ(特撮大スペクタル得意の彼の作品とは!)

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謎多き存在ゆえ、こんな発想も可能という見本のような作品。シェイクスピアが存在したことは疑う余地なしでも、実際に彼があの膨大な名作を書いたのかどうか、実証のしようがないらしいところから、実は、誰か別人の作品では、という次第。

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んで、当のシェイクスピアは、単に舞台に登場した俳優に過ぎなかったという見立て。従って、ここではシェイクスピアは端役に過ぎないのだ。実際に執筆していた人物は、女王エリザベス一世に極めて近い存在、というより、子供まで成したと言う設定。

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史実に基づかないまでも、かなりそれらしい展開が、フラッシュバックとともに丁寧に描かれていて、見る者を引き込む。権謀術数、愛憎渦巻く宮廷の内と外、登場人物が多いゆえ、ある程度、当時の時代背景が頭に入ってないとこんがらかること、必定。

当時のロンドン、中でも例のグローブ座、及び周辺俯瞰図など、CGを駆使して、見事な出来映えである。

エリザベスを演じる、マギー・スミス似のヴァネッサ・レッドグレイブが素晴らしい演技を見せる。因に彼女の若き日を演じるジョエリー・リチャードソンは、実生活で日の娘である。

脚本のジョン・オーロフは、既に1998年にこの脚本を書いていたそうだが、たまたま同じシェイクスピアを題材にした「恋に落ちたシェイクスピア」が作られた時期に当たり、映画化は見送られていたそうだ。面白い逸話だ。

#94 画像はIMdb及びALLCINEMA on lineから