140427 原題:SACRO GRA(聖なる環状線)イタリア映画祭出品作品。公開はこの夏。イタリア 83分 ドキュメンタリーというジャンルだが、実際には、フィクションも一部盛り込まれている。上映後のトークショーで監督、ジャン=フランコ・ロージ監督が激白していた。
原題のGRAとはGrande Raccordo Anulareの略で、ローマを取り巻く環状線のこと。この周辺に生きる市井の人々の暮らしを独特の視点で捉えたもの。
認知症を発症している母親の面倒を見ている救急隊員、ホモの車上生活者、奇妙な器具で植物の成長音を採取して、パソコン状で分析、虫除けの音波を探る植物学者、過去の栄光を求め、無理して贅沢な生活を気取る没落貴族、その他、我々日本人的感覚からかけはなれた生活者を取り上げている作品。
第70回ヴェネツィア国際映画祭で、ドキュメンター映画として初めて金獅子賞を取った作品。ついでに、イタリア映画としては1998年以来、実に16年ぶりとは俄に信じがたい。
とは言え、日本人にはなかなか理解しにくい作品だと思うし、8月公開が決まっているが、観客動員はビミョー。同行したイタリア映画に詳しい友人は、ローマ在住が長かったこともあり、絶賛していたけど・・・。
この監督、1964年エリトリア生まれの50歳。長老のフランチェスコ・ロージ監督に似ていなくもないから、ひょっとして息子かと思ったら、まったくの他人。ま、ロージ(ROSI)って名前、珍しくもないからな。
#34 画像は映画祭チラシと作品公式サイトから