161231 毎年、大晦日は大体家にいて、どこか掃除したりしているのだが、今年は、早めにこのジルベスター・コンサートのチケットを買っていた。
マエストロ井上(70)は、一昨年咽頭癌治療で半年の休養ののち、見事に復活、その姿を見たかった。2007年、日比谷公会堂でのショスタコビッチのシンフォニー全曲をやったが、ほとんどを聞きに行った覚えがある。
相変わらずの人を喰ったような所作振る舞い全開で、場内を散々沸かせていた。
幕開けから、ベートーベンに扮したバリトンの大山大輔が登場、オケの後ろのスペースに用意された古ぼけたデスクに陣取り、曲の解説やら、マエストロと掛け合いを演じて、聴衆を楽しませるという趣向は悪くない。大山のアイディアだろう。いかにもやりそうな男だ。
後半は、お目当、第九の第三、第四楽章。凡そ35分。第四楽章のテンポがえらく速くて、ラストのプレスティッシモは、よくぞピタリと揃ったもんと感嘆あるのみ。
演奏後、場内が暗くなり、合奏団から「蛍の光」のメロディーがハミングで。しばらくすると、一人一人が用意していたらしいライトを手にして、ゆっくり揺らせると、あらま結構感動的なシーンに。
登場した東響コーラスの中に大学時代の後輩の姿を偶然発見、コーラスが趣味なのは知っていたが、こんなレベルの高い合唱団に所属していたとは。男声40、女声70ほど。程よいバランスだ。やはりプロは、全然違うと、当然のことながら、改めて実感させられた。
ソリスト陣、ヴェテランと若手がうまく融合されて、美しいハーモニーを作り出していて、正直痺れまくった。最後の最後に、素晴らしい第九を聴くことが出来て、幸せな年の暮れとなった。