180121
年明けにNHKニューイヤーオペラに出演した嘉目真木子を生で聴くのは久しぶりだが、金山京介はついせんだってアプリコ小ホール開催の「歌唄い」(吉田貴至企画)で聴いたばかり。
この二人は2年前の魔笛で初共演だったことや、そこで起こったハプニングに触れたトークが面白かった。また、作曲家平井秀明(父は平井丈一朗、祖父は平井康三郎という名門音楽家の三代目)の解説がさすがに奥深く、初めて知ったようなことが多かった。しかも、彼自身の”おごり”で、休憩時間にシャンパンやワインを振舞ってくれたのが、殊の外嬉しかった。
代々木から徒歩10分ほど、住宅街にある70席ほどの小さなホールだから、オペラ歌手には多少歌いづらいところかも知れない。
嘉目真木子、初めて聞いたのは8年前のマダムバタフライ、さすがに瞠目すべき進化を遂げているのがよく分かる歌唱だった。なにか自信に満ちた、意思の固さを感じさせる歌いっぷりとでも言おうか。
金山京介は、発展途上で、これからどんなテノールに成長していくのか、大変楽しみ。資質はしっかりしているのだから、将来性はすこぶる高い。
アンコールは嘉目のグノーの「アヴェ・マリア」で締めくくった。彼女は来月には「金閣寺」の仕事で、ストラスブールへ三ヶ月の滞在予定で出発するとか。いよいよ国際舞台に大きな一歩を記すことになりそうだ。In bocca al lupo!
左端のピアニスト、木村裕平は、三日前の「千駄ヶ谷スタイル」コンサートで聞いたばかり。今や、超のつく売れっ子ぶり。
終演後、ファンが列をなすのはいつもの風景。他のファンと話していたので、横顔でもいいと思ってスマホを向けるや否や、にっこりこちらを向いてくれた。この辺りの気配りというか勘の良さには、毎度感心させられる。
#7 文中敬称略