ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

特別展「名作誕生-つながる日本美術」@トーハク

180517 会期が終わりに近づいたこの日、ラオス会(50数年前、横浜から乗り合わせた仏国郵船”ラオス号”にちなみ命名)の会食後、T画伯と連れ立って上野の杜へ。ちょうど4時入館で、ゆったりと見られたのは幸いだった。展覧会詳細→東京国立博物館ホームページ

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重要文化財 仙人掌群鶏図襖(部分) 伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀 大阪・西福寺蔵

前期、後期で出品物の一部の入れ替えがあり、どうやら、前期の方が貴重な作品が多かったようだ。それでも、ほとんどが国宝、重文指定の展示物で、こうした作品が一度に見られるのはなんとしてもありがたいことだ。

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⬆︎この作品が見られなかったのは、返す返すも残念!ぜひとも実物を観たかったなぁ。

意外な作品が掉尾を飾っている。最後の最後に展示してあったのは岸田劉生の麗子像の一つ、「野童女」。子供にしてはやや気味の悪い笑みをたたえているが、それは、元になった伝顔輝(14世紀、元時代)による寒山拾得図から想を得たかららしい。対比して展示してあるから、分かりやすい。

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「野童女岸田劉生

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寒山拾得」の寒山

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寒山拾得」の拾得

それにしても自分にもう少しこうした日本美術に対する鑑識眼が備わっていれば、さらにいっそう楽しめただろうと思うと悔やまれた次第。