190328
最初の一枚がこれ。あでやかなこと。1972年の作品。所有者のいちばんのお気に入りだろう。
当館の創業者、山崎種二と土牛との交流は、土牛がまだ無名時代から延々と続いたそうで、当時から買い上げていたというから、種二の目利きぶりがいかに凄かったということでもある。したがって当館所有の土牛作品は135点に及ぶというから驚きである。今回はその中から63点を展示。
愚亭が初めて土牛の作品を見たのは、まだこの美術館が茅場町にあったころ。たまたま勤務先が近くにあったので、昼休みに見に行ったのだが、強く印象に残ったのがこの「醍醐」と「鳴門」、そして姫路城を描いた「城」。
雨趣 1928年 その頃住んでいた赤坂付近。まだまだ当時はこんな感じだったようだ。湿気を含んだ空気まで感じさせてくれる作品。
琵琶と少女 1930年
雪の山 1946年 当時、大いに影響を受けたと認めるセザンヌの感じが山の稜線などに少しだが窺える。
奥の島影を描くか、随分迷ったそうだ。色合い、いいねぇ〜。
茶室 1963年
101歳という長寿を全うした土牛、展示してあった最晩年ん作品は98歳で残した富士、「山なみ」。署名がそれまでのとはまったく違ったいるのが印象的。また手前の山肌が水彩画風に筆のにじみが現れていて、独特の風格を表しているように見えた。
会期は今月31日まで。