181029 SEARCHING 米 102分 脚本・監督:アニーシュ・チャガンティ(インド系アメリカ人
娘との距離は世間並みかそれ以上に近かったはずなのに・・・実は知らないことだらけ。親しい友人たちと勉強会に参加すると出てったきり、ぷっつり消息を絶たれ、俄かに焦りを覚える父親。
母親を幼少時に亡くして、情緒不安定だったのも、なんとか乗り切れ、父親としては娘の日常になんの不安も感じてなかったのだが、交友関係などまったく無関心だったから、こうなると誰に連絡してよいものか見当もつかない。
そうこうするうちに、時間ばかりが過ぎて行き、地元警察に捜索願いを。すると運良く、非常に仕事熱心な婦人刑事が担当になったと告げられ、今後は緊密に連絡を取り合おうと励ましの言葉も。
しかし、捜査は進展しない。もどかしさが募るばかりの父親は娘の使用していたパソコンになんとかログインできて、意外な交友関係を知ることになる。
この作品が斬新なのは、ほぼ全編がパソコンの画面で構成されていることだが、そこを「売り」にするあまり、テレビ画面や実写でもいいところや、音声だけのやりとりが普通だろうというところまで、画像付きにしたり、なにがなんでも無理やりパソコン画面上に突っ込んだなぁというシーンもあることはあったが、実にうまく処理していて、そこは感心させられた。
この娘が誕生したころの画面は主としてウィンドウズ、高校生になるころからはマックの画面に切り替わっていて、普段使っているだけに妙にリアリティーを感じた。
一旦は悲劇に終わりかかるのだが、そこから第2幕が開くというようにして、進行するラストは結構、ハラハラしながら見ていた。
出演者のほとんどは韓国系アメリカ人ということである。知らないわけだ。
それと、SNSという特殊な世界の実態をつぶさに知ることができて、その点も見どころの一つ。それにしても、この父親、パソコンの扱いがうま過ぎ!いろんな画面を手際よく重層的に出して、過去の画像などから、登場人物の顔の類似点を探って見たり、ほとんど専門家の領域!普段、IT関連の仕事をしているわけでもないのに、こういうところもツッコミを入れたくなる。
#79 (画像はIMDbから)