200901 本ブログでの最多登場回数である青栁素晴・江口二美夫妻による生配信コンサートも、これで3度目。(ME音としては2回目)映像・音響等技術的にもこの3ヶ月で随分進化の跡が見られたし、お二人とも、演唱もトークも、すっかり慣れた印象。目の前には本来、大勢の聴衆が手前から奥まで見える視界が、カメラと数人のスタッフだけというのは、やはりかなりやりにくいことは容易に想像できる。カメラ目線での演唱に慣れるのはいいが、早く本来の舞台に立たせてあげたいと切に願っている。
5月の第1回の配信の際は、初回のことゆえ、さまざま技術上のトラブルが発生し、そこを徹底的に修正して臨んだようだ。また今回はあえて実際の舞台と同じように15分の休憩時間を取って、これを含めて90分とした。休憩時間に別途収録しておいたトークで、裏話や今後のお二人の演奏計画などの告知を行なっていた。
前半は最近の作品や日本の歌、ミュージカルなど。後半には少し重めのオペラのアリアを中心に、再び彼らの愛唱歌など、ソロ、デュエットをうまく組みあわえて、さまざまな層のファンへの気配りを忘れないように構成されていた。
オペラファンの愚亭には青栁の歌った「フェデリーコの嘆き」(Il Lamento di Federico)と、江口が歌った「さようなら、ふるさとの家よ」(Ne andró lontana)の2曲がとりわけ印象深かった。
前者はフランチェスコ・チレア(Francesco Cilea, 1866-1950)の「アルルの女」(L'Arlesiana)、後者はアルフレード・カタラーニ(Alfredo Catalani, 1854-1893)の「ワリー」(Wally)からのそれぞれ名アリアであり、偶然にもこれら二つのオペラは全曲上演される機会が滅多になく、こうしたアリアだけが超有名であり、単独で歌われることが多い。確かにどちらも名曲である。
青栁が中島みゆきの作品を時折歌うのは知っていたが、若い頃から大好きで彼の愛唱歌にいくつか入っているらしい。そんなわけで、愚亭も大好きだったNHKのシリーズ「プロジェクトX」の最後に歌われていた「ヘッドライト・テールライト」を歌ってくれた。
次回のME音は12月19日とのこと。忘れないようにしないと。さて、その頃、コロナ禍が静まっていることを期待したいが・・・・。
(文中敬称略)