201216 UN CARNET DE BAL 1937 144分 監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
若くして未亡人になったクリスティーヌ(マリー・ベル)が、人に勧められるままに、舞踏会デビューした時の相手を書き記した手帖を元に、10名を訪ねてみる気になる。2人はすでに故人、一人は行方不明で、結局、7人を一人ずつ訪ねるという話。
大昔に踊った相手の名前のみならず、住所まで書いておくというのが、仮に当時の普通の感覚だったとしても、電話すらない時代。今なら、わけなく探し当ててられるだろうが、一人探すだけでも超難関だったと思われるが、その辺は物語だから割り引いて、まあまあ順当に探していく。
ところが、クリスティーヌの淡い期待に反して、それぞれが社会で活躍するものも、失敗している者もさまざまなれど、共通してクリスティーヌに対しては、懐かしさ以外の感情がないことを思い知らされる。
最後は1番のお目当てだった男の遺児を引き取り二人で暮らしていくということでFIN!なんというか、かなり特異な発想であり、展開となる作品。昭和13年に日本でも公開され、概ね好評だったという。しかし、その後、太平洋戦争が近づく頃になると、内容が退廃的ということで、軍部からの指示で公開中止となったとか。ま、そのご時世では、仕方ないでしょう。
ニュープリントだったせいで、83年前の作品とは思えぬほどきれいな画質を楽しめた。