210204 TRAITEMENT DE CHOC (ショック療法)1972 仏・伊合作 91分 脚本・監督・音楽:アラン・ジェシュア(1932-2017) B級作品。調べると、この人、ろくな作品を残していないが、脚本や音楽も自分で担当しているから、それなりに才能はあったのだろう。
この二人の共演というので、見ることになったが、まあ、とんでもない凡作でがっかり。二人はこの12年前にルキーノ・ヴィスコンティの名作「若者のすべて」で初共演している。どんな経緯からこんな駄作に付き合うことになったのかは謎。
友人から誘われるままに、ブルターニュの海辺にあるサナトリウムへ向かったエレーヌ(アニー・ジラルド)はそろそろ身体の線が気になり出したお年頃。近代的で豪華な設備を誇る施設でゆったりと美容整形の施術を大いに楽しむつもりだったのに・・・。
以前から滞在中の、いかにも金満な連中の誰もが満足げな様子と、なんと言ってもここの院長ドクター・デビレ(アラン・ドロン)がとびっきりの美男であることに、エレーヌも快適極まりない環境に身を委ねるのだった。
しかし、滞在が長くなるにつれ、何かがおかしいと気づき始めるエレーヌ。母家から離れた別棟では、おぞましい動物の生体実験や人体実験が・・・。
施設近くの海岸で全員がすっぱだかで波と戯れるシーンが。アラン・ドロンもスッポンポンで加わる。要所でボカシが入るが、なんのためのシーンだか訳がわからない。ドロン・ファンへのサービスのつもりか。
蛇足ながら、二人が共演した「若者のすべて」の出演がきっかけで、ドロンの兄役だったレナート・サルヴァトーリとアニー・ジラルドは1962年に結婚。ところが、間もなくアニーは家を出てしまう。サルヴァトーリの親友だったドロンは彼女に腹を立てていたらしく、本作の撮影中、ドロンがジラルドに平手をうちを食わせるシーンではまったく手加減しなかったと、後にジラルドが著作で明かしていたとか。面白い逸話である。